
今年の「iPhone 17」シリーズでは、デザイン刷新や新色「Cosmic Orange」が話題になりましたが、もう一つ見逃せないポイントがあります。国や地域によって、同じ「iPhone 17 Pro」でもバッテリー容量が異なる、というこれまでにない仕様です。
物理SIMをなくした分、バッテリーが増量
GSMArenaによると、eSIM専用モデルでは物理SIMトレイ分のスペースをバッテリーに割り当てることで、従来よりも大容量化が実現しています。対象地域は日本を含む米国、カナダ、中東などで、販売エリアごとに仕様が異なるのはiPhoneとして初の試みです。

実際、「iPhone 17 Pro」のeSIM版は4,252mAh、物理SIM版は3,998mAhと、その差は約6.35%。Appleは発表時点で「動画再生が最大2時間伸びる」と紹介しており、バッテリー持ちが気になるユーザーにとって期待できる要素となっていました。
実測テストで“体感できる差”は出たのか

phoneArenaは独自のバッテリーテストを実施。通話、Webブラウジング、動画ストリーミング、ゲームといった複数の項目で比較しています。
| モデル | バッテリー容量 | アクティブ使用スコア |
|---|---|---|
| eSIM版 (A3256) | 4,252mAh | 16時間12分 |
| 物理SIM版 (A3523) | 3,998mAh | 15時間23分 |
総合結果では、eSIM版が「49分」長いという結果に。テスト項目ごとに見ると以下の傾向が出ています。
Webとゲームで大きな差、動画は意外な結果に
- 通話:eSIM版は24時間1分、物理SIM版より約3%延長
- Webブラウジング:13時間41分で、物理SIM版を1時間以上上回る
- ゲーム:10時間58分で、約44分の差
- 動画ストリーミング:ほぼ横ばい(むしろ物理SIM版のほうがわずかに長い)
動画だけはAppleの事前発表ほどの伸びがなく、繰り返し検証しても差が出なかったとのことです。
物理SIMの撤廃はいつ? 今後のiPhoneにも影響か
今回の結果を整理すると、eSIM版はアクティブ利用で約5.3%の改善。特にWeb閲覧とゲームでは体感しやすい差と言えそうです。一方、すべてのシーンで大きな差が出るわけではなく、用途によって恩恵は異なるという印象です。
とはいえ、SIMトレイを排除するだけでこれだけの増量が可能であることは大きな示唆と言えます。Appleが将来的に全市場で物理SIMを廃止すれば、同じようにバッテリー容量の底上げが期待できるかもしれません。
現時点で、AppleがeSIM完全移行やシリコンカーボン電池採用に踏み切る気配はありませんが、今回のテスト結果は次世代iPhoneの方向性を占う材料になりそうです。


