
世界のスマートウォッチ市場で、大きな勢力図の変化が起きています。調査会社Counterpoint Researchの最新データによると、2025年にXiaomiがSamsungを抜き、世界第3位のスマートウォッチメーカーに浮上しました。市場全体は前年比で約7%成長と回復基調にありますが、注目すべきはその中身です。
XiaomiがSamsungを上回り世界3位に
2025年第3四半期時点で、Xiaomiの世界シェアは9%に到達し、Samsungの8%を上回りました。Xiaomiは前年から出荷台数を22%も伸ばしており、単なる低価格路線ではなく、高い付加価値を訴求する戦略が奏功した形です。

価格だけではないXiaomiの強み
Xiaomiの成長を支えたのは、コストパフォーマンスだけではありません。独自のHyperOSやHyperConnectとの連携により、スマートウォッチをスマートフォンや他のデバイスを操作するハブとして位置づけ、日常のデジタル体験を広げています。中価格帯で「価格以上の体験」を提供できた点が、競合との差を生みました。
中国市場が世界を動かす存在に
現在、スマートウォッチ市場の重心は中国に移りつつあります。Huawei、Xiaomi、Xiaotiancaiといった中国ブランドが世界上位に名を連ね、国内市場の拡大が出荷台数を大きく押し上げています。政府の補助政策や消費意欲の回復を背景に、2025年の中国市場は世界出荷の31%を占める見通しで、前年の25%から大きく伸びています。
苦戦が続くSamsung、復調の兆し見せるApple
SamsungはGalaxy Watch 8を投入したものの、出荷台数は前年比で6%減少しました。高級路線ではAppleが強く、コスト重視層ではXiaomiが存在感を増す中、立ち位置が難しくなっています。一方のAppleは、SEモデルの刷新やUltra 3の投入により、7四半期ぶりに成長へ転じ、出荷台数を12%伸ばしました。
市場全体は回復しつつありますが、主導権を握るプレイヤーは確実に変わり始めています。Xiaomiの躍進と中国市場の存在感拡大により、スマートウォッチ市場は新たな競争フェーズに入ったと言えそうです。


