
世界初の水冷システムを備えたゲーミングスマートフォン「RedMagic 11 Pro」が、人気YouTuberのJerryRigEverythingにより分解され、内部の仕組みが公開されました。Snapdragon 8 Elite Gen 5の発熱を抑えるため、スマホとしては前例のない本格的な冷却装置が組み込まれていることが確認できます。
■ 8.9mmの薄さに“水冷+ファン+巨大ベイパーチャンバー”
RedMagic 11 Proは、アクティブ液体冷却と小型ファン、さらに大型ベイパーチャンバーを組み合わせた冷却システムを採用しています。水冷式のスマートフォンが一般販売されるのは今回が世界で初めてです。
ファンは毎分2万4,000回転に達し、側面の排気口から勢いよく空気を吐き出します。動画では、排気の風圧でライターの火が吹き飛ぶほどの強さが確認されています。
■ 冷却機構が“1枚のユニット”として剥がれる構造
背面ガラスを取り外すと、透明背面から見えていた2色のクーラント(冷却液)が循環するチューブが登場します。冷却液には視覚的な流動感を出すため、オイルのような成分が混ぜられている可能性があるとのことです。

興味深いのは、AquaCore Cooling System、ピエゾ式マイクロポンプ、アクティブファン、ワイヤレス充電コイルなどがひとつの部品として丸ごと外れる点です。内部には柔軟なチューブが走り、液体がプロセッサ周辺を循環しながら熱を逃がす仕組みになっています。

■ Snapdragon 8 Elite Gen 5をどう冷やす?

ダクトはSoCと3Dベイパーチャンバーを覆うように配置されており、冷却ループの先端が金属部分に触れて熱を受け渡す構造になっています。ただし接触面積は限られており、「もしループ全体がより広く密着していれば、さらに冷却効率が上がるのでは」という指摘も出ています。
■ 耐久テストでも判明したRedMagic 11 Proの特徴
一般的な構造面では、画面はモース硬度6で傷が付き始め、7で深い溝が刻まれました。フレームはアルミ製でカッターによる傷が容易に入るのは他機種同様です。
またこの端末はIPX8相当の耐水性能を持ちますが、内部につながるファンの通気口があるため防塵性能は保証されていません。とはいえ、吸気部分にはメッシュが設置され、埃の侵入を最小限に抑える配慮が施されていました。
■ “スマホ冷却の到達点”を狙う1台
水冷、ファン、ベイパーチャンバーという三段構えの冷却機構は、もはや小型ゲーミングPCの領域です。8.9mmという薄さの中にこれだけの仕組みを収めたこと自体が大きな技術的チャレンジと言えます。
高負荷ゲームやAI処理が増える中、RedMagic 11 Proは「本気で冷やせるスマホ」を具現化したデバイスとして存在感を放ちそうです。

