
シャープの人気ミッドレンジスマートフォン「AQUOS sense8」において、電源ボタンが反応しなくなるという不具合の報告が、価格.comやSNS上で相次いでいます。報告内容には共通点が多く、ユーザーの間では「構造的な問題ではないか」との声も広がっています。
「指紋認証が使えなくなった後、電源ボタンも反応しなくなった」
複数のユーザーによると、不具合は突然発生するケースが多く、初期症状として「指紋認証ハードウェアが使用できません」とのメッセージが表示された後、電源ボタン自体が反応しなくなるという流れが多いようです。
一度電源が切れてしまうと再起動もできず、実質的に操作不能になるという深刻な事態に陥るケースも確認されています。
一部のユーザーは修理に出したものの、「ボタンに物理的な損傷はなく原因不明」とされ、修理不能だったと報告しています。
1年前後で発生、保証外になるケースも
投稿の多くは、購入からおよそ1年前後で症状が出始めたというもの。
あるユーザーは「1年2か月で電源ボタンが死んだ」とし、保証期間外での修理費用が高額になることへの不満を述べています。
「ソフトウェア更新期間が長くても、電源ボタンが1年で壊れては意味がない」との意見もあり、長期使用を前提に購入したユーザーほど失望の声が大きいようです。
また、「AQUOS senseシリーズの電源ボタンは壊れやすい」と以前から指摘していたユーザーもおり、同シリーズ全体に共通する耐久性の問題である可能性も否定できません。
代替策として「電源ボタンを使わない操作」も
一方で、すでに電源ボタンの反応が悪くなったユーザーの中には、電源ボタンを使わずに運用する方法を模索する人も増えています。
たとえば、ウィジェットやユーザー補助機能を利用して画面のオン/オフを行う方法です。
具体的には、「One Click Lock Screen」といったアプリを使い、ホーム画面のショートカットから画面をオフにし、再点灯は画面タップと顔認証で行うといった工夫が共有されています。
こうした方法により、電源ボタンをほぼ使用せずに日常操作をこなすことが可能ですが、バッテリーが完全に切れた場合は起動できないという根本的な問題は解決されません。
SNSでも同様の声多数、「1年で壊れるのはおかしい」の声
X(旧Twitter)上でも、AQUOS sense8の電源ボタンに関する投稿が多数見られます。
「1年ほどで反応しなくなった」「配線周りに欠陥があるのでは」といった指摘のほか、「2回も壊れた」との報告もあり、再現性の高い不具合であることがうかがえます。
一方で「まったく押さないようにしているので問題は出ていない」というユーザーもおり、使用頻度との関連性も検討の余地がありそうです。
メーカーの対応は現時点で不明
これらの報告に対し、シャープから公式なアナウンスは現時点で出ていません。
一部ユーザーはメーカーに問い合わせたものの、「仕様の範囲内」と説明され、明確な対応が得られなかったと述べています。
今後、同様の不具合報告がさらに増えた場合、リコールや無償修理対応が検討される可能性もあります。
まとめ:堅実なミドルレンジ機に見えた「落とし穴」
AQUOS sense8は、高い写真性能や堅牢な設計、長期アップデート保証などで人気を集めたモデルですが、電源ボタンの信頼性という基本的な部分でつまずいている印象です。
「安心の日本メーカー製」として購入したユーザーの信頼を取り戻すためにも、シャープには早急で明確な対応が求められます。