ソニー「Xperia 1 VII」は真のカメラ体験か、時代遅れの技術か? ー 有名カメラサイトが辛口レビュー


カメラのソニー”のスマホに疑問符

イギリスの著名レビューサイト「Digital Camera World」は、ソニーの最新フラッグシップスマートフォン「Xperia 1 VII」に対し、「本格的な写真体験を目指しているものの、時代遅れの技術が足を引っ張っている」とやや辛口の評価を下しています。とりわけ、カメラ性能に関しては“中途半端な伝統主義”とも言えるアプローチが裏目に出ているとの指摘が目立ちました。


進化したのは超広角カメラのみ?

Xperia 1 VIIで新たに搭載されたのは、1/1.56インチの大型センサーを採用した50MPの超広角カメラ。数値上は進化していますが、画角は16mmと、標準の24mmに比べてわずか8mmの差。Digital Camera Worldは、「同価格帯のiPhone 16 Proが13mmの超広角を採用していることを考えると、インパクトは薄い」と評しています。

また、4K/120fps撮影が3つのカメラすべてで可能なのはビデオグラファーにとって朗報ですが、夜間や室内の撮影では性能が著しく低下し、特に望遠カメラの描写は「軟弱」と厳しい言葉が並びました。


「伝統的な画作り」は美徳か、限界か

Xperia 1 VIIの画像処理は「伝統的なフォトグラフィ」に忠実で、ダイナミックレンジの狭さや、暗所でのノイズ、ブレの発生といった点が現代的な他機種と比べて際立つとのこと。HDRやAIによる補正をあえて使わず、「本物のカメラのような撮影体験」を提供しようという意図は伝わるものの、それが必ずしも実用性に繋がっていない点が問題視されています。

Digital Camera Worldの筆者は、「光が十分にある環境ではそれなりの結果が得られるが、オート撮影で使う限りは他社のAI写真技術に大きく劣る」としており、手軽さを求めるユーザーにとっては選びにくい一台と言えるでしょう。


マニュアル撮影や動画編集には強みも

一方で、ソニー製カメラに慣れたユーザーにとっては馴染み深いUIや、12MP RAWでのマニュアル撮影、動画編集向けの高フレームレート撮影などは高評価。動画撮影に関しては、「Adobe Premiere Proとの親和性が高く、編集作業もスムーズに行えた」と述べられています。

ただし、旧来のテレマクロ機能はすでに他社がオートフォーカス対応で上位互換を出しており、Xperiaの操作性は「不器用かつ古くさい」との厳しいコメントも。


AI不採用という“こだわり”が裏目に?


Xperia 1 VIIのUIはAndroid 15をベースとしつつ、他社のようなAIアシスト機能はほとんど搭載されていません。写真・動画編集だけでなく、日常のタスク支援にもAIが深く関わる2025年のスマートフォン市場において、この「AI不使用の潔さ」は一部ユーザーには魅力的かもしれませんが、トレンドから大きく外れているとも言えるでしょう。


価格に見合う価値があるかは疑問

レビューでは、価格についても大きな不満が表明されています。英国での販売価格は1,399ポンド(約27万円)で、これはiPhone 16 Pro MaxやGalaxy S25 Ultraよりも高額です。にもかかわらず、前年モデルとの違いは超広角カメラとチップセット程度。しかも米国では販売されないため、入手ハードルも高めです。


本格志向が通用しにくくなった時代

かつては“プロ向け”として差別化できたXperiaシリーズですが、他社のAI技術や高性能センサーが急速に進化する中で、Xperia 1 VIIの「本格志向」は通用しにくくなっている印象です。写真や動画を“創る”のではなく“記録する”スマートフォンとしては魅力が薄く、少数のマニア向けモデルと化しつつあります。

ただし、ゲーム性能やオーディオ、SDカードスロット、3.5mmイヤホンジャックといった“レトロな強み”を評価する声もあり、用途次第ではユニークな選択肢とも言えるでしょう。


ソニーらしさ”を貫いた一台、だが代償は大きい

Digital Camera Worldは総評として、「AI重視の現代スマホに違和感を持つ人にとっては、Xperia 1 VIIは魅力的な選択肢になり得る。しかし、カメラ性能や価格、使い勝手のバランスでは競合に見劣りする」と述べています。

“伝統”を貫くソニーの哲学が、スマートフォンというジャンルにおいては必ずしも成功に繋がっていないという現実を、Xperia 1 VIIは静かに物語っているのかもしれません。

ソース

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XperiaXperia 1 VII
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