
Appleが目指す「完全なベゼルレスiPhone」の実現には、もう少し時間がかかるかもしれません。2027年に登場予定の「iPhone 19 Pro」について、業界アナリストが新たな見通しを示しました。
iPhone 20周年モデルにもパンチホールカメラが残る可能性
Appleは2027年にiPhone誕生20周年を迎えるにあたり、特別なモデルとして「iPhone 19 Pro」に全面ディスプレイを採用するという噂が以前から囁かれてきました。ベゼルもノッチも一切ない“真の全画面iPhone”への期待が高まる中、ディスプレイ業界の著名アナリストであるRoss Young氏は、こうした期待をやや冷静に見るべきだと述べています。

Young氏によると、Face ID関連の一部センサーは2026年登場予定の「iPhone 18 Pro」でディスプレイ下に配置される可能性があるものの、フロントカメラそのものは少なくとも2030年まではディスプレイ下に移行しないとのことです。つまり、2027年のiPhone 19 Proでもパンチホール型のカメラが残る見込みです。
技術的課題とAppleの品質基準
こうした遅れの背景には、現在のアンダーディスプレイカメラ技術の限界があるとされています。たとえば、ZTEの「Nubia Z70 Ultra」などではすでにディスプレイ下カメラが採用されていますが、画質面で大きな課題が残っています。Appleは、こうした妥協を避ける傾向が強いため、導入には慎重な姿勢を崩していません。
Young氏は、Face ID関連センサーがすべてディスプレイ下に配置されるのは2028年の「iPhone 20シリーズ」以降、完全にカメラまで含めて“何もない全面ディスプレイ”が実現するのは2030年の「iPhone 22」になると予測しています。
iPhone 19 Proは別の面で大幅進化の可能性も
一方で、iPhone 19 Proはディスプレイ以外の面で大きな進化を遂げる可能性があります。搭載が噂されている「A21 Pro」チップはApple初の2nmプロセスを採用する見込みで、RAMは12GB、厚さはわずか7.2mmというスリムな筐体になるとの情報もあります。
また、搭載されるであろうiOS 21は、AI機能を大幅に強化した新しい体験を提供すると見られています。
革新か慎重戦略か、Appleの選択に注目
画面の完全な没入感を追求する中で、Appleがあえて“見送り”を選んだ背景には、完成度を重視する姿勢が表れています。一方で、先行する他社がこの分野でリードを広げる可能性も否めません。果たしてAppleの戦略が功を奏するのか、それともユーザーの期待に応えるにはあまりに慎重すぎるのか──注目は続きそうです。