ソニーが新型CMOSセンサー「LYT-828」を正式発表、量産開始は8月末から

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社は、スマートフォン向けに開発された新型イメージセンサー「LYT-828」を正式に発表しました。この5000万画素CMOSセンサーは、メインカメラおよびサブカメラ用途を想定しており、2025年8月下旬から量産が開始される予定です。

LYT-818の後継モデル、高画質化と省電力を両立

LYT-828は、従来モデルの「LYT-818」と同様の基本構造を持ちつつ、HDR技術と「ハイブリッドフレームHDR(HF-HDR)」を組み合わせたことで、明るすぎる場所での白飛びや暗所での黒潰れといった問題を大幅に軽減。

さらに、新たに採用された「ロスレス露光(Loss-Less Exposure)」技術により、光を効率的に活用し、ノイズを抑えながらより高いS/N比を実現しています。

また、超高変換ゲイン(UHC)回路技術により、低照度環境下でもノイズを最小限に抑え、鮮やかな描写を可能に。HDRを常時利用するようなシーンでも電力消費を抑える設計となっており、バッテリー効率の面でも優れたパフォーマンスが期待できます。

主な仕様と性能

  • モデル名:LYT-828
  • イメージサイズ:1/1.28型(対角12.49mm)
  • 有効画素数:約5000万画素
  • 画素サイズ:1.22μm × 1.22μm
  • カラーフィルター:クアッドベイヤーコーディング
  • ダイナミックレンジ:100dB以上(HDR対応)
  • 出力インターフェース
    • MIPI C-PHY(最大6.0 Gsps/トリオ)
    • MIPI D-PHY(最大2.5 Gbps/レーン)

フレームレート性能(全ピクセルAF対応):

  • 5000万画素(4:3):30fps
  • 1250万画素(4:3):最大120fps
  • 4K2K動画:120fps
  • マルチフレームHDR(1250万画素):60fps(2枚重ね)
  • シングルフレームHDR(1250万画素):最大60fps(DCG-HDR)
  • 3種類のHDRを組み合わせた撮影:30fps(UHCG + 3HDR)
  • HF-HDR+LLE使用時の4K2K:60fps

電源:

  • アナログ:2.8V / 1.8V
  • デジタル:0.81V
  • インターフェース電圧:1.8Vまたは1.2V

今後のスマホ市場での採用に注目

高いダイナミックレンジ性能と省電力設計、さらには次世代HDR技術を備えたLYT-828は、今後フラッグシップスマートフォンのカメラ性能を大きく引き上げる可能性を秘めています。近年のソニー製センサーは各社スマートフォンのカメラ性能を支えてきた実績があり、このLYT-828も例外ではないでしょう。

量産は8月下旬から開始されるとのことで、年末以降に登場する次期フラッグシップモデルへの搭載が期待されます。カメラ性能が購入動機の大きな要素となっている現在、LYT-828の実力が市場にどう受け入れられるのか、注目が集まります。

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