Pixel 7が日本で販売禁止に──Pixel 8・9シリーズにも波及の可能性

グーグルの主力スマートフォン「Pixel 7」シリーズが、日本国内で販売禁止となりました。これは韓国のモバイル端末メーカー、パンテック(Pantech)との特許紛争が原因で、現在Pixel 8およびPixel 9シリーズについても、同様の措置が検討されています。

標準必須特許の侵害で東京地裁が販売差し止め命令

この措置は、東京地方裁判所が2025年6月に出した判決によるものです。パンテックは、グーグルがLTE通信に関する標準必須特許(SEP)を無断で使用していると主張。具体的には、スマートフォンと基地局間の通信制御方法に関連する特許技術がPixelシリーズに使われているにもかかわらず、ライセンス契約が締結されていないと訴えていました。

標準必須特許とは、業界の共通規格を実現するために必要不可欠な特許であり、公平・合理的かつ非差別的な条件(FRAND)で他社にライセンス提供されることが原則とされています。

グーグルの対応に裁判所が厳しい姿勢

判決の背景には、グーグル側の不誠実な対応も大きく影響しています。パンテック側によると、グーグルは特許使用料について具体的な提案をせず、ライセンス交渉を意図的に遅延。秘密保持契約(NDA)の締結を要求するなど、不必要な条件を課したとも指摘されています。

さらに、裁判所の要請に対して日本国内でのPixel販売台数データの提出を拒否したことで、東京地裁はPixel 7シリーズの販売禁止を命じる判断に至りました。

Pixel 8・9シリーズにも影響、グーグルは日本撤退の可能性も

パンテックはすでに、Pixel 8およびPixel 9シリーズ(Proモデルを含む)についても販売差し止めを求める訴訟を提起しており、特許をめぐる問題が解決しない場合、グーグルは今後、日本市場からの一部撤退を余儀なくされる可能性もあります。

日本市場におけるグーグルのシェアはStatCounterによると約5.8%で、iPhoneの約62%には大きく水をあけられているものの、サムスンやXiaomiを上回る2位につけている重要な市場です。それだけに、今回の判決は同社にとって大きな痛手となりそうです。

今後の焦点は「ライセンス交渉の行方」

グーグルが今後、パンテックと適切な条件でライセンス契約を結ぶのか、それとも日本市場からの撤退という苦渋の決断を下すのか──注目が集まっています。いずれにせよ、今回の一件は標準特許の重要性と、それを軽視した場合のリスクを改めて浮き彫りにするものとなりました。

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