
Googleが提供を開始した「Android 16」アップデートですが、一部のPixelユーザーから不具合の報告が相次いでいます。なかでも多くのユーザーが指摘しているのが、「スリープからの復帰が異常に遅い」という問題です。Googleもこの不具合を認識しており、修正対応に向けて動いていると明言していますが、それ以外にも多岐にわたる不具合が見つかっているようです。
起動に5秒? スリープ復帰の遅延問題
Reddit上では、Pixel 9 Pro XLのユーザーが「画面をダブルタップしても、電源ボタンを押しても、反応が戻るまでに約5秒かかる」と報告しています。復帰後は正常に操作できるものの、画面がオフになるたびに同じ問題が繰り返され、日常使用においてじわじわとストレスを与える不具合といえるでしょう。
この現象は他のPixel端末でも確認されており、複数のスレッドで同様の報告が投稿されています。なお、編集部で検証した限りでは、同一環境でこの不具合は再現されませんでした。
Google公式のPixel Communityアカウントはこの件に対し、「現在原因を調査中で、数週間以内に修正パッチを提供する予定」とコメント。一時的な対処法として、端末の再起動や、設定内にある「タップして確認」「持ち上げて確認」の両機能をオフ→再起動→再びオンにする手順が推奨されています。ただし、効果は一時的なものとの声もあり、根本的な解決には至っていません。
問題はこれだけではない? 多数のバグ報告
スリープ復帰の遅延は氷山の一角にすぎないようです。Android 16の配信以降、ユーザーコミュニティでは以下のような不具合が多数報告されています。
- ロック画面が頻繁にフリーズする
- 指紋認証の反応が遅い、または無反応になる
- 画面ジェスチャーが機能しない
- 自動輝度調整が不安定
- 近接センサーの動作が erratic(不安定・誤作動)
- 自動回転が動作しなくなる
- アプリがフリーズし、タップに反応しない
- カメラが固まり、何度もシャッターを押さないと撮影できない
- Android Autoが頻繁に切断される
- 「サークルで検索」が反応しなくなる
これらの症状の多くは、端末の再起動で一時的に改善される場合があります。また、端末を初期化する(ファクトリーリセット)ことで改善する例もあるようですが、初期化には全データ消去を伴うため、十分なバックアップを取ることが必須です。
“安定版”のはずが…ユーザーの信頼に影響も
今回のAndroid 16アップデートは、長期にわたるベータテストを経て提供された“安定版”としてリリースされたにもかかわらず、多数の不具合が確認されている点で、ユーザーの信頼を損なう結果となっています。もし同様の問題に直面している場合は、Googleにバグレポートを送信することで改善を後押しすることも可能です。
最新OSに期待していたPixelユーザーにとって、今回のAndroid 16は決して“滑らかなアップグレード”とは言いがたい状況です。Googleの早急な対応と、次期アップデートでの安定性向上が強く望まれています。