2023年にElon Musk氏が設立したxAIによって開発された生成AIチャットボット「Grok」。最初はX(旧Twitter)上で公開され、その後iOS向けのスタンドアロンアプリとしてもリリースされました。さらに最近では、Xアカウントがなくても利用できるウェブ版も登場し、一時的なデータモードや個別設定など、便利な新機能が追加されています。
しかし、Grokをめぐって思わぬ問題が浮上しました。一部のユーザーがGrokで行った会話がGoogle検索でインデックス化され、他のユーザーにも閲覧可能な状態になっているというのです。この問題について詳しく見ていきましょう。
Google検索でGrokの会話が見られるって本当?
最近の報告によると、Grokを利用した会話がGoogle検索でインデックス化され、ウェブ上でアクセス可能になっているケースが確認されています。この問題は、日本を含む一部地域のXユーザーの間で特に顕著で、大量のGrokの会話データがGoogle検索結果に表示されているとのことです。
確かに検索してみるとGrokでユーザーが入力したと思われるプロンプトが複数表示されます。
そして、以下はどの一部。
幸い、プライバシーを情報などは記載されていないようですが、このプロンプトを入力したユーザーは自分のプロンプトがGoogle検索上で見れると状態になっている、というのはおそらく知らないのではないでしょうか。
Grokのウェブ版では「一時的モード」という新機能が導入されており、このモードでは会話履歴が保存されず、AIモデルのトレーニングにも使用されないとされています。しかし、実際にはこれらの会話が公開されていることで、ユーザーが自覚しないままプライバシーリスクにさらされている可能性が浮かび上がっています。
日本はXのユーザー数が地域別で世界2位とされており、この問題が多くの日本ユーザーに影響を与えている点も注目すべきポイントです。また、Grokの競合であるGoogleのGeminiがこのデータを通じて競争優位を得ている可能性も否定できません。
プライバシー侵害のリスクとユーザーへの影響
AIチャットボットを利用する際、ユーザーは友人と会話するような感覚で利用することが多いですが、今回のようなデータ漏洩が起きると、何気ないやり取りが第三者に閲覧され、悪用される危険性が生じます。
Grokを運営するxAIには、この問題への迅速かつ徹底的な対応が求められます。特に、ウェブ版の公開後に発覚したこの事案は、Grokの信頼性に深刻な影響を与える可能性があります。AIサービスを利用するすべてのユーザーにとって、セキュリティとプライバシー保護は欠かせない要素です。
ユーザーができる自衛策
このような状況下で、AIチャットボットを利用する際に以下の点を意識することが推奨されます:
- 個人情報を共有しない:名前、住所、連絡先などの個人情報は絶対に入力しない。
- 一時的モードの利用:可能であれば、履歴を保存しないモードを選択する。
- 公開情報に注意:AIとの会話がどのように使用されるか、プラットフォームのポリシーを事前に確認する。
xAIがこの問題にどのように対応するかは今後の課題ですが、ユーザーとしても慎重な利用を心がける必要があります。
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