キャリア「のSIMロック禁止」が原則となった2021年頃からよく耳にするようになったキャリアの「バンド縛り」問題。
「バンド縛り」とは、簡単に言うと、特定のキャリア版のAndroid端末を購入すると、その端末がキャリア以外のバンド(周波数)に対応していないことが多く、他キャリアに移行するとエリアが狭くなったり、通信速度が遅くなったりする、という問題です。
この「バンド縛り」問題は2022年モデルではかなり改善されているのも事実ですが、一方で、同じキャリアの端末でもまだバンドを「縛りまくっている機種」というのが存在するのも事実です。
キャリア専売Android機種の「縛り」に要注意
できるだけ話をシンプルにするため、今回は各キャリアの以下のLTEプラチナバンドのみに焦点を当て、これらのバンドに対応していない機種を「バンド縛りのある機種」と定義します。
- ドコモのLTEプラチナバンド:B19
- auのLTEプラチナバンド:B18/B26 (B26はB18を内包)
- ソフトバンクのLTEプラチナバンド:B8
また、ここではY!mobileの機種は「ソフトバンク版」、UQモバイルのモデルは「au版」とします。
キャリア縛りのない2022年Android機種の例
まずは2022年モデルでこのバンド縛りがほぼ解消された例で、以下は2022年モデルで3キャリアのすべてのプラチナバンド(B19、B18/26、B8)に対応している機種の一例です。
- Xperia 1 IV (ドコモ、au、SB、SIMフリー)
- Xperia 10 IV(ドコモ、au、SB、SIMフリー)
- Xperai 5 IV (ドコモ、au、SB、SIMフリー)
- AQUOS sense7(ドコモ、au、SIMフリー)
- AQUOS wish2 (ドコモ、ソフトバンク、SIMフリー)
3キャリア全てのプラチナバンドに対応している機種の共通点はSIMフリー版が展開されており、最低でも2キャリア以上が取り扱う機種、という点。
キャリア縛りのある2022年Android機種の例
- arrows N F-51C(ドコモ専売)→ au、ソフトバンクのプラチナバンドに非対応
- AQUOS sense7 plus (ソフトバンク専売)→ドコモ、auのプラチナバンドに非対応
- Xperia ACE III (3キャリア取扱いもSIMフリー版なし)→いずれのキャリア版も他社のプラチナバンドに非対応
これらのモデルに共通するのは、いずれも1キャリアのみの専売モデルでSIMフリーモデルも展開されていない、ということ。
もちろん、これは傾向であって絶対的な法則ではなく、例外はいくつかありますが、まとめると:
- 特定キャリアモデルでも、他キャリアやSIMフリーモデルで同じ機種が取扱いされている場合、その他キャリアのプラチナバンドに対応していることがほとんど。
- キャリアモデルで他キャリア・SIMフリーでの取扱いのない機種は、その他キャリアのバンド(特にプラチナバンド)に対応していないことがほとんど。
つまり、端的に言うとキャリア専売モデルは基本的に他キャリアのプラチナバンドに非対応で、キャリア縛りが顕著と言えます。
最近ではこれでは「SIMロック原則禁止の意味がない」という声も多いようで、昨年には総務省でもこれについて調査を開始している模様ですが、今のところは本格的なメスが入らない限り根本的な是正にはつながりそうにありません。
よって、現在スマホの購入を検討中でキャリア移行の予定がある、という方は、特定キャリアでしか扱われない専売モデルを購入するのは避けた方が良い、と言えそうです。
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