Xperia 1Ⅱ以降のハイエンドXperiaに搭載されている機能、HSパワーコントロール。
ゲームエンハンサー内の機能の一つで、バッテリーを介さずに給電をすることでバッテリーの劣化や発熱を抑える、というもので、最新のXperia 1 IVでも継続搭載。
Xperia独自機能として評価の高く、この機能があるからこそ「だから私はXperia」という方も結構いるようです。
一方、新型XperiaのXperia 1 IVはSD8Gen1の宿命か、発売前から発熱およびそれを抑えるためのスロットリングがかなり積極的に行われている、という指摘が多いのもの事実です。
そんな中、XperiaのこのHSパワーコントロールが端末のバッテリー寿命だけでなく、パフォーマンスにも大きな影響を与えている可能性がでてきました。
HSパワーコントロールはベンチマーク性能の「持久力」に大きく影響
以下はXperia 1 IVのゲームエンハンサーにAntutuを登録。そしてHSパワーコントロールをオン・オフの状態でAntutuベンチマークスコアを5回連続で走らせた際のスコアを表にしたもの。
HSパワー コントロール | オフ | オン |
1回目 | 913298 | 924328 |
2回目 | 820121 | 894302 |
3回目 | 756391 | 872091 |
4回目 | 713678 | 841972 |
5回目 | 712093 | 839540 |
室温約24℃での実験で、1回目の計測結果はHSパワーコントロールのオン・オフで大きな差はみられませんが、5回目になるとかなり大きなスコア差がでています。
以下は各測定結果をグラフにしたもの。
ご覧のように、計測が進むにつれ、HSパワーコントロール・オフ/オンで徐々にスコア差が広がっていくのが分かります。
HSパワーコントロールは先述のようにあくまでバッテリーの発熱や劣化を抑えるための機能で、これ自体がプロセッサーの性能に直接的な影響を与えるものではありません。
一方、スマートフォンで最も発熱する部分は言うまでもなくはプロセッサーですが、バッテリーも電力消費が激しい時には発熱をします。(もちろん充電中も)。
そして、ご存知のようにスマートフォン、特に今回のSnapdragon 8 Gen1を搭載した機種は発熱が大きく、端末温度が上昇すると過度な発熱を抑えるためにCPUのクロックスピードが強制的に落ちる「スロットリング」が発動します。
つまり、このHSパワーコントロールが有効化されていると、バッテリーからの発熱を抑えることで、端末全体の温度をオフの時よりも低く保つことが可能に。
結果、同機能が「間接的」にスロットリングの発動を抑え、その結果、ベンチマークを連続で回してもスコアが下がりにくい、という事だと思われます。
なお、検証はしていませんが、この効果はおそらくXperia 1/5 IIIや1/5 IIでも見られるとは思います。
ただ、この間接的な発熱防止機能が端末の性能にここまで大きな影響を与える、というのはおそらくこのXperia 1 IVならではないかと思います。
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