PS5互換レイヤーAnyPS5、システムライブラリの87%を実装完了

オープンソースプロジェクトのAnyPS5が、PlayStation 5向けゲームをWindowsやLinux上で動作させるための互換レイヤー開発で大きく進展しています。最新の進捗報告では、PS5のシステムライブラリに対する対応率が87.0%に達しました。

AnyPS5は、PS5向けゲームをPC上で動作させることを目指して開発されているプロジェクトです。従来型のエミュレーターとは異なり、PS5とPCで共通するx86-64アーキテクチャを活用し、実行ファイルをPC向けのネイティブ形式へ動的に変換・再リンクする方式を採用しています。

24時間で対応率が8%向上

最新の報告によると、AnyPS5で確認されているPRXライブラリ関数は2,815個に上り、そのうち2,449個がすでに実装・移植されています。システムライブラリの対応率は87.0%となっており、わずか24時間で8%も上昇したとされています。

ゲームを動作させるには、単純にライブラリの数を増やすだけでなく、ソニー独自のOSが提供するシステムコールなどをPC上で適切に処理できるようにする必要があります。AnyPS5では、こうした処理をPC側へマッピングしながら、ゲームを実行できる環境の構築を進めています。

グラフィックス関連でも開発は進んでいます。GPU命令については、現在確認されている1,166個のシェーダー命令のうち1,125個、割合にして96.48%が変換可能な状態になっているとされています。

従来型エミュレーターとは異なるアプローチ

AnyPS5の特徴は、PS5のハードウェア全体をPC上で仮想的に再現する一般的なエミュレーターとは異なる点です。

PS5と一般的なPCはともにx86-64アーキテクチャを採用しているため、CPUを完全に仮想化するのではなく、PS5向けに作られた実行ファイルをPCで扱える形式へ変換することで、処理負荷を抑えながら互換性を確保することを狙っています。

この方式によってCPUの仮想化に伴う大きな負荷を避けつつ、ソニー独自のシステムコールをPC環境へ対応させ、グラフィックス命令についても変換する仕組みが構築されています。

ただし、ライブラリの対応率が87%に達したからといって、PS5ゲームの大半がすぐにPCで安定動作するという意味ではありません。

87%はゲームの動作率ではない

開発チームも、現在示されている数字はあくまで確認済み機能に対する対応率であり、市販ゲームを実用的に動作させられる完成度を示すものではないとしています。

残り13%のシステムコールには、特殊な同期処理など、ゲームを正常に動作させるうえで重要な機能も含まれています。これらを実装したうえで、安定性やパフォーマンスを高めるための調整も必要になります。

そのため、現時点でAnyPS5を利用すればPS5のゲームライブラリをPCで自由にプレイできる、という段階には達していません。

それでも、短期間でシステムライブラリの対応率が大きく伸び、GPU命令についても高い割合で変換が進んでいることは注目されます。ゲームの保存や互換性の確保を目的としたコミュニティの取り組みとしても、今後さらに開発が進めば、PS5ゲームをPC環境で扱うための新たな選択肢につながる可能性があります。

ソース

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