
世界最大級の半導体ファウンドリであるTSMCは、次世代製造技術となる1.4nmプロセス「A14」の開発が順調に進んでいることを明らかにしました。
同社によると、2027年にリスク生産を開始し、2028年には本格的な量産体制へ移行する計画です。1.4nmプロセスの成功は、今後さらに先のA13やA12といった次世代技術への発展にもつながる重要なステップになるとみられています。
2nmを超える性能向上を実現へ
TSMCの1.4nmプロセスは、現在開発が進められている2nm世代「N2」の後継となる技術です。
同社の説明によると、1.4nmプロセスでは2nmプロセスと比較して、同じ消費電力で10~15%の性能向上、または同じ動作周波数で25~30%の消費電力削減が可能になるとされています。
さらに、ロジック密度も約20%向上するとされており、より高性能かつ省電力な半導体の実現が期待されています。
Appleが初採用メーカーになる可能性
現時点では、TSMCの1.4nmプロセスを最初に採用する企業について公式発表はありません。
しかし、一部ではAppleが有力候補になるとの見方があります。
AppleはTSMCの最先端プロセスを積極的に採用してきた実績があり、2028年に登場するとみられる次世代チップ「A22 Pro」で1.4nm技術を採用する可能性が指摘されています。
TSMCにとってAppleは最大級の顧客であり、最先端プロセスの初期採用企業になる可能性は十分に考えられます。
A13やA12などさらなる微細化技術へ発展
TSMCは1.4nmプロセスを単なる新製造技術としてだけではなく、さらに先の世代へつなげる基盤として位置付けています。
A14の開発を通じて、A13やA12といった次世代ノードの開発も進められる予定です。
また、TSMC独自のDTCO(設計・技術協調最適化)を活用することで、光学的な縮小技術を取り入れながら、よりスムーズな次世代プロセスへの移行を目指しています。
A12については、A14をベースに「Super Power Rail」と呼ばれる技術を採用し、消費電力、性能、チップ面積のさらなる改善を実現するとされています。
Samsungも1.4nm競争に参入
最先端半導体市場では、Samsungも対抗技術の開発を進めています。
韓国Samsungは独自の1.4nmプロセス「SF1.4」を2029年に量産開始する計画で、さらに改良版となる「SF1.4+」を2030年頃に投入すると報じられています。
TSMCは、1.4nmプロセスによって2nm世代を上回る大規模な需要を獲得できると期待しています。
AI向け半導体や高性能スマートフォン向けチップの需要拡大が続く中、1.4nm世代を巡るTSMCとSamsungの競争は、今後の半導体業界を左右する重要なポイントになりそうです。

