
PS5エミュレーター「KytyPS5」の開発が大きく進展しました。最新版ではPS5版「Grand Theft Auto V」のメニュー画面や設定画面まで起動できるようになったほか、「Quake II Remastered」では実際の3Dゲーム画面の描画にも成功しています。
現時点では実用レベルには達していませんが、PS5エミュレーションの進化を示す大きな節目として注目を集めています。
GTA Vのメニュー画面まで起動
開発者が公開したスクリーンショットや映像によると、「Grand Theft Auto V」のPS5版は起動処理を進め、メニュー画面や各種設定画面まで表示できるようになりました。
ただし、ゲーム本編を最後までプレイできる状態ではなく、あくまでも起動プロセスの一部が正常に動作している段階です。
一方で、「Quake II Remastered」はさらに一歩進み、リアルタイムで3Dゲーム画面を描画することにも成功しています。
また、GitHubには「PowerWash Simulator」や「PAC-MAN WORLD」がゲーム内まで起動しているスクリーンショットも掲載されており、対応タイトルは徐々に増えつつあります。
わずか数日で大きく前進
PS5エミュレーターはこれまで、2Dタイトルやロード画面までしか動作しないケースがほとんどでした。
例えば、別プロジェクトの「SharpEMU」では「Demon’s Souls」のロード画面表示まで、「Dreaming Sarah」といった2Dタイトルの起動に成功していた程度です。また、KytyPS5も以前は「Silent Hill: The Short Message」のロード画面表示が限界でした。
しかし今回の進展により、最新のPS5タイトルのロード処理やライブラリ、映像出力、グラフィックス関連の処理をある程度実行できることが示され、開発が新たな段階へ進んだことがうかがえます。
最新版では互換性や起動速度も改善
今回の成果は、最新版となるバージョン0.0.3によるものです。
アップデートでは仮想メモリ管理の改善による起動時間の短縮をはじめ、新しいシェーダーバインディングシステムの導入、AMPRの最適化、Pthread関連の修正、新たなライブラリABIへの対応、互換性データベースの追加など、多数の改良が実施されています。
開発者によると、現時点では低レベルのハードウェアエミュレーションではなく、「互換レイヤー」として動作しており、Unreal Engine 4・Unreal Engine 5・Unityなどで開発された一部タイトルの起動に対応しているとのことです。
実用にはまだ時間が必要
なお、開発は主にNVIDIA製GPUを使用して行われており、AMDやIntel製GPUでは動作が不安定になる可能性があるとされています。
また、開発チームは現段階では描画品質やフレームレートよりも、互換性や起動の安定性を優先していると説明しています。
実際、「Quake II Remastered」は約7fps程度で動作していると報告されており、描画の乱れも確認されています。
まだゲームを快適にプレイできる段階にはありませんが、商用3Dタイトルが実際にゲーム画面まで動作するようになったことは、PS5エミュレーター開発における大きな前進と言えそうです。


