
QualcommとMediaTekが、次世代スマートフォン向けSoCでAppleとの差を縮めるため、2nm世代への移行を急いでいると報じられています。ただし、その代償としてチップ価格が大幅に上昇する可能性も指摘されており、スマートフォンメーカー各社にとっては新たな悩みの種になりそうです。
Apple対抗へ「2nm競争」が本格化
今回の情報によると、QualcommとMediaTekは、TSMCの改良版2nmプロセス「N2P」を採用した次世代SoCを準備しているとされています。
両社の狙いは明確で、Appleの次世代Aシリーズチップに対抗できる性能を実現することです。
特に近年は、Apple製チップがシングルコア性能や電力効率でAndroid陣営を大きくリードしている状況が続いており、ハイエンドSoC市場ではApple優位が定着しつつあります。
そのため、QualcommとMediaTekは、より微細な製造プロセスへいち早く移行し、クロック向上や消費電力削減によって差を縮めたい考えのようです。
ただしコストは大幅増加か
問題は価格です。
リーク情報によると、2nm世代の新型SoCは現行世代より約20%高額になる可能性があるとされています。すでに現行のハイエンドSoCもかなり高価になっており、スマートフォンメーカーの利益率を圧迫している状況です。
特にSnapdragon 8 Elite Gen 5は1チップあたり約280ドル規模とも噂されており、その後継となる「Snapdragon 8 Elite Gen 6 Pro」はさらに高額化する可能性があります。
その結果、スマートフォンメーカー側が採用をためらう可能性も指摘されています。
Qualcommは「2本立て戦略」の可能性
こうしたコスト問題を踏まえ、Qualcommは2nmと3nmを併用するラインアップ戦略を取る可能性があるとも言われています。
つまり、最上位モデルのみ2nmプロセス版を投入し、より普及価格帯向けには3nm世代を維持することで、採用ハードルを下げる狙いです。
現時点では、「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を継続しつつ、新たな「Snapdragon 8 Gen 6」を追加投入する構成になるとの噂もあります。
MediaTekにも難しい判断
一方、MediaTekも同様の課題に直面しているとみられています。
次世代の「Dimensity 9600」シリーズでは2nm化による性能向上が期待されていますが、価格上昇によって採用機種が限定される可能性もあります。
そのため、一部ではMediaTekが非フラッグシップ向けチップに3nmプロセスを積極採用し、コストと性能のバランスを取るのではないかとの見方も出ています。
Android陣営は「性能」と「価格」の両立が課題に
近年のスマートフォン市場では、単純な性能向上だけでは差別化が難しくなってきています。
加えて、メモリ不足や部材価格高騰の影響も続いており、メーカー各社は利益率の確保に苦戦しています。
その中で、Appleに追いつくために2nm競争へ踏み込むことは技術的には魅力的ですが、一方で端末価格のさらなる上昇につながる可能性も否定できません。
2026年以降のAndroidフラッグシップは、「性能競争」と「価格維持」の両立が大きなテーマになっていきそうです。

