
PlayStation 5を本格的なLinuxマシンとして動作させるための非公式プロジェクトが公開され、注目を集めています。特定条件を満たす本体であれば、Ubuntuを起動し、デスクトップPCのように利用できるという内容です。
セキュリティ研究者が開発 再現可能な手順として公開
このプロジェクトは、セキュリティ研究者として知られるTheFlowことアンディ・グエン氏によって公開されたものです。GitHub上で公開されたツール群により、対応するPS5でLinuxを起動する一連の手順が誰でも再現可能な形で整備されています。
今回の公開には、起動用のLinuxペイロードに加え、Ubuntu 24.04のブートイメージを生成するビルドスクリプトや、M.2 SSDへのインストール支援ツールなどが含まれています。
対応するのは旧ファームウェアの初期型PS5のみ
ただし、すべてのPS5が対象というわけではありません。対応するのは、いわゆる初期型のPS5で、ファームウェアが3.xxから4.xxの範囲にある個体に限られます。
具体的には3.00から4.51までのバージョンが対象となっており、それ以降の新しいファームウェアでは利用できません。将来的に一部バージョンへの対応が広がる可能性はあるものの、現時点では制限が大きい点には注意が必要です。
Linux起動でフルスペックを活用 デスクトップ用途にも
Linuxを起動したPS5は、x86ベースのPCとして動作し、CPUやGPUの性能もフルに近い形で活用できます。最大で8コア16スレッドのCPUと、RDNA2世代のGPUが利用可能で、クロックの調整機能も備えています。
また、1080pから4Kまでの解像度で60Hz出力に対応しており、外部ディスプレイに接続すれば一般的なデスクトップ環境として利用できます。USBポートもそのまま使用できるため、キーボードやマウスなどの周辺機器も問題なく接続可能です。
Ubuntuを外部SSDに導入 元の環境は維持
Linux環境は内蔵ストレージを書き換えるのではなく、M.2 SSDにインストールすることも可能です。これにより、通常のPS5環境を保持したまま、再起動によって簡単に元の状態へ戻ることができます。
なお、この仕組みは恒久的な改造ではなく、Linuxを起動するたびに専用の手順を実行する必要があります。
設定には専門知識も 一般ユーザー向けではない側面も
導入にはいわゆる脱獄ツールを利用する必要があり、ネットワーク設定の変更や専用サーバーの構築など、ある程度の知識が求められます。また、4Kや1440p出力ではディスプレイとの相性問題が報告されているなど、安定性の面でも課題が残ります。
そのため、誰でも気軽に試せるものというよりは、技術的な理解があるユーザー向けのプロジェクトといえそうです。
ゲーム機の新たな可能性として注目
近年はPC向けGPUの価格高騰や、据え置き型のゲーム専用機とPCの境界が曖昧になりつつあります。そうした中で、比較的入手しやすい中古のPS5をLinuxマシンとして活用するという選択肢は、一部のユーザーにとって魅力的に映るかもしれません。
今後、このような取り組みがどこまで広がるのかは不透明ですが、ゲーム機の新たな使い道を示す興味深い事例であることは間違いなさそうです。

