
次世代半導体のカギを握る2nmプロセスを巡り、Samsung ElectronicsとQualcommの関係に不透明感が広がっています。最新の情報によると、Samsungの製造技術がQualcommの要求水準に達しておらず、両社の協業が進みにくい状況にあるとされています。
Qualcommは引き続きTSMC依存の見通し
現在、Qualcommの次世代チップであるSnapdragon 8 Elite Gen 6シリーズは、TSMCの2nmプロセスで製造される見込みです。これにより、今年もSamsungとの製造契約は見送られる可能性が高まっています。
Qualcommとしては複数の製造委託先を確保する「デュアルソーシング」を理想としていますが、現状ではTSMCへの依存が続く構図となっています。
Samsungの2nmプロセスは歩留まりに課題
報道によると、Samsung Electronicsの2nm GAAプロセスは歩留まりが約60%にとどまっており、Qualcommが求める約70%には届いていないとされています。
歩留まりは製造効率やコストに直結する重要な指標であり、この差が両社の協業を妨げる大きな要因となっているようです。
コスト面ではSamsungにもメリット
一方で、TSMCの最先端プロセスは安定供給が強みである反面、コストが非常に高いという課題があります。このため、QualcommやMediaTekがSamsungへの製造移行を検討しているという見方も以前からありました。
しかし実際には、すでに次世代チップの設計や試作が進んでいることもあり、短期的な切り替えは難しい状況です。
今後の巻き返しに期待も
とはいえ、Samsungの2nm技術が今後改善される可能性も残されています。同社は第2世代の2nmプロセスを年内に投入する見込みで、自社チップへの採用も予定されています。
仮に歩留まりの改善が進めば、将来的にQualcommとの関係が再び動き出す可能性もあります。デュアルソーシング戦略の実現に向けて、今後の技術進展が重要なポイントとなりそうです。
現時点では、Samsung ElectronicsとQualcommの距離はやや開いた状態にありますが、半導体市場の競争環境を考えると、この関係が再び接近する余地は十分にあるといえます。
