
キオクシアは、最新の組み込み型フラッシュメモリ「UFS 5.0」のサンプル出荷を開始したと発表しました。新製品はHS-GEAR6(High-Speed Gear 6)モードを採用し、スマートフォンやVR/AR機器、AI処理などで増大するデータ転送要求に対応することを目的としています。容量は512GBと1TBが用意されており、現時点では評価用サンプルとして出荷されています。
高速化を実現するHS-GEAR6モード
UFS 5.0の最大の特徴は、従来のUFS 4.0よりも大幅に高速なデータ転送を可能にするHS-GEAR6モードです。キオクシアはデュアルレーンのMIPI M-PHY 6.0構成を採用しており、1レーンあたり最大46.6Gbpsの信号伝送が可能です。2レーンを活用することで、理論上の総合読み書き速度は最大10.8GB/sに達し、従来のUFS 4.0と比べて2倍以上の性能向上となります。
従来のUFS 4.0はアプリの起動やスクロール、バックグラウンド同期といった用途では十分でしたが、スマートフォンがオンデバイスAIモデルの活用や高解像度映像処理に対応するようになるにつれ、さらなる帯域幅の拡張が必要とされていました。UFS 5.0はこうした要求に応えるための仕様となっています。
AI処理や高解像度映像も快適に
新しいフラッシュメモリは、キオクシアの第8世代BiCS FLASHコントローラーと組み合わせることで、データ処理の余裕を確保。これにより、Jetson ThorやJetson Orinを搭載したデバイスでのローカルAI生成や高解像度映像のリアルタイム処理も効率化されます。
さらに、7.5×13mmの小型パッケージながら、帯域幅の高いデータ転送に対応可能な新プロトコルを備えており、モバイルゲーマーやクリエイターがスマートフォン上で複雑なAI処理を行う環境にも適しています。
キオクシアは、512GB版の評価サンプルを2月24日から出荷開始し、1TB版は3月以降の出荷予定としています。ただし、最終的な製品価格は未発表で、サンプルはあくまで「機能評価用」であり、「商用製品とは仕様が異なる可能性がある」と注意を促しています。
新しいUFS 5.0は、スマートフォンやAR/VRデバイスのパフォーマンスを大幅に押し上げる可能性を秘めており、今後の高速ストレージ標準として注目されます。
