先日国内でもリリースされたXiaomiの「超高コスパ」ハイエンドモデル、Xiaomi 11T Pro。
非常に魅力的なスペック+価格の同モデルですが、Antutuベンチマークでのベンチマークスコアが他のSnapdragon 888搭載機と比較するとかなり低めで、実際にはSnapdragon 865レベル、という件についてお伝えしました。
そして今回、海外サイト、ANANDTECHがその原因・理由を含む、興味深い記事を掲載していました。
The Snapdragon 888 in the 11T Pro in these benchmarks is never using the Cortex-X1 cores of the SoC. Instead, pretty much the totality of the tests is being performed on the 2.41GHz A78 cores
11T Proに搭載されているSnapdragon 888は、これらのベンチマークでは、SoCのCortex-X1コアを使用していません。代わりに、ほとんどのテストが2.41GHzのA78コアで行われています。(中略)
What’s happening on the 11T Pro is that indeed it seems any anonymous workload on the phone is mostly unable to be scheduled on the X1 cores, unless there’s multiple threads which causes spill-over. Without CPU affinity in my SPEC harness, the load gets also scheduled on the A78 cores. If I limit it to just the X1 core, it only goes up to 2.15GHz. In GeekBench, the ST workloads do go up to 2.84GHz even in an anonymised variant of the test, however in the MT load the X1 cores again are limited to 2.15GHz. The X1 cores are still being used here and there in scenarios such as opening apps, but otherwise rarely so.
11T Proでは複数のスレッドがあってスピルオーバーが発生しない限り、ほとんどX1コアにスケジュールできず、SPECハーネスにCPUアフィニティがないと、負荷はA78コアにもスケジュールされてしまいます。また、X1コアだけに限定すると、2.15GHzまでしか上がりません。GeekBenchでは、匿名化されたテストであっても、STワークロードは2.84GHzまで上がりますが、MTロードではX1コアは再び2.15GHzに制限されます。アプリを開くなどのシーンでは、X1コアはまだあちこちで使われていますが、それ以外はほとんど使われていません。
高性能コア、Cortex-X1がほとんど仕事をしていない・・・
Snapdragon 888のCPU、Kryo 680はCortexX1(1コア)+A78(3コア)+A55(4コア)という構成になっており、CoretexX1が最大2.84GHzの高性能コアとなっています。
しかし、Xiaomi 11T Proでは大半のベンチマーク測定の際に高性能コア、CortexX1(1コア)が動作していない、ということ。
さらにこのCoretexX1は実使用でもアプリを開くといった一部の場面では動作しているものの、それ以外の使用場面では使われていない、とのこと。
要は、このXiaomi 11T ProのSnapdragon 888はベンチマークスコア上だけでなく、実使用においても本来であれば一番優秀な「働き手」であるプライマリーコアがその能力をほとんど出していない、ということに。
この点からするとベンチマーク上の性能だけではなく、実使用での性能でも他のSD888搭載機に劣る、ということになりそうです。
ちなみに先の記事では、なぜかGeekbenchでのXiaomi 11T Proのスコアは他のSD888搭載モデルと比べてそん色がない、と伝えしました。
今回の情報によると、やはり理由は不明ながらGeekbench上ではこのX1コアがちゃんと動作している、とのことなので、これで謎が解けたのではないかと思います。
ちなみにANANDTECHはこの手のレビュー・分析では定評があり、今回の情報も私の解釈が間違っていなければかなり正確なものだと思います。
ソース:ANANDTECH
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