
サムスンが初のトリプル折りたたみ端末「Galaxy Z TriFold」で、またひとつ業界記録を塗り替えました。同機種には、厚さわずか4mmのフレームに収まる“幅1.65mm”の超薄型指紋センサーが採用されており、これは現時点で市販機として世界最薄とされています。
狭小フレームを実現したGoodixの技術
Galaxy Z TriFold向けに指紋センサーを設計したのは、サムスンの主要パートナーであるGoodixです。同社はTriFoldのために複数の専用部品を提供しており、その中でも指紋センサーは特に高度な設計が求められたパーツといえます。
フレーム厚が4mmという物理的制約の中で、1.65mmという極端に細いセンサーを組み込むには、従来の折りたたみ機とは異なるアプローチが必要だったとのことです。
GOODIXはタッチパネル関連でもTriFold向けのカスタムコントローラーを開発しており、メイン・サブ両ディスプレイの制御に用いられています。市販のトリプル折りたたみ端末は現時点でほぼ存在せず、Huawei Mate XTなど一部例外を除き、専用設計が必須であることも背景にあります。
12月12日に韓国で発売、日本を含む他地域展開は2025年以降か
Galaxy Z TriFoldは、12月12日に韓国で発売されます。価格は3,594,000ウォン(約2,450ドル相当)で、Galaxy Z Fold 7より高価なラインナップとなっています。
米国では2025年第1四半期に発売される見込みで、続いて中国、シンガポール、台湾、UAEなどにも投入される予定です。1月のCESで追加情報が明かされる可能性も高く、米国価格は3,000ドルを超えるとみられています。
2026年は“トリプル折りたたみ元年”となる可能性
トリプル折りたたみスマホは、スマートフォンを“タブレットそのもの”へと一段階進化させる新カテゴリーといえます。すでにTECNOなども試作機を披露しており、2026年は複数メーカーの参入が期待される年になるかもしれません。
ポケットサイズから一気に大型画面へと展開するTriFoldタイプは、従来の正方形タブレット風フォルダーとは異なる体験を提供し、折りたたみ端末の新たなステージを切り開く存在になりつつあります。

