
折りたたみスマホ市場をリードしてきたサムスンが、ついに次のステージへと踏み出します。これまで「Galaxy Z Fold」や「Z Flip」シリーズで培ってきたノウハウをもとに、同社初となる“三つ折り”デバイス「Galaxy Z TriFold」が今週発表される見込みです。
APEC CEOサミットで正式発表か
今回の発表は、10月28日から31日にかけて韓国で開催される「APEC CEOサミット」の場で行われるとみられています。サムスンとしては、これまでの折りたたみ端末とは異なる“トライフォールド”という新カテゴリーへの挑戦であり、同社の技術力を象徴する製品になる可能性があります。
Galaxy Z TriFoldは、2つのヒンジを備えた内折り構造を採用。閉じた状態では6.5インチの通常スマートフォンとして使え、段階的に開くことで8インチのミニタブレット、さらに全開時には10インチ級の大型ディスプレイへと変化します。
ヒンジ耐久性とUIの最適化を徹底
開発段階の情報によれば、サムスンはヒンジの耐久性を徹底的に改善し、折りたたみ状態ごとにスムーズに切り替わるUIを最適化しているとのこと。チップセットは最新のSnapdragon 8 Gen 4ではなく、1世代前のSnapdragon 8 Eliteを搭載する可能性が高いとみられています。
実験的な製品という位置づけから、生産台数は初期ロットで約5万台に限定される見通し。価格は約400万ウォン(約27万〜28万円)前後になると予想されており、完全に“超ハイエンド”の領域です。
販売は一部地域のみ、米国は対象外に?
最大の注目点は、その販売地域の限定ぶりです。信頼性の高いリーカー、Evan Blass氏の情報によれば、初期販売は韓国、中国、シンガポール、台湾、アラブ首長国連邦(UAE)のみに限られ、米国では発売されない可能性が高いとのこと。
この判断の背景には、まだ市場での需要が不透明であること、そしてトライフォールドという新構造に対するリスクを最小限に抑えたいというサムスンの慎重な姿勢があると考えられます。


