
Googleの最新フォルダブルスマートフォン「Pixel 10 Pro Fold」が、YouTubeチャンネル「JerryRigEverything」の耐久テスト中にバッテリー爆発を起こしたことが話題になっています。テストの終盤、端末を2度にわたり逆方向に折り曲げた際に発火したもので、内部のバッテリーが物理的に損傷したことが原因とみられています。
極限の「曲げテスト」で初の爆発例
JerryRigEverythingは、スマートフォンの耐久性を検証する動画で知られる人気チャンネルです。今回のPixel 10 Pro Foldでも恒例の「曲げテスト」が実施され、まず前方向、続いて後方向に力を加えるという過酷な試験が行われました。

結果、端末は大きく変形し、内部バッテリーが圧迫されて発火。これまで多数のスマートフォンが同様のテストを受けてきましたが、バッテリーが実際に爆発したのは今回が初めてとのことです。JerryRigEverythingの運営者も「過去に何百台もテストしてきたが、こんなことはなかった」と驚きを隠せない様子でした。

単なる「無茶なテスト」では済まされない懸念
もちろん、一般ユーザーが同じように端末を折り曲げることはまずありません。しかし、問題は「極端な力を加えたから爆発した」で片づけられない点にあります。内部バッテリーの設計や保護構造にわずかな欠陥がある場合、日常的な落下や圧迫でも安全性が損なわれる可能性があるためです。実際、今回のPixel 10 Pro Foldは、過去モデルのPixel Foldシリーズでは見られなかった挙動を示しており、構造変更の影響も指摘されています。

ユーザーの不安と今後の対応
この動画が公開されたことで、購入を検討していたユーザーの間では安全性への懸念が高まっています。Googleは現時点で公式なコメントを出していませんが、もしバッテリーの設計や製造に問題があるとすれば、今後のリコールや修正対応が求められる可能性もあります。
一方で、同様のテストを受けた「Galaxy Z Fold 7」では爆発などのトラブルは発生しておらず、メーカーによる安全設計の違いも注目されています。
Pixel 10 Pro Foldの爆発は極端な実験下で起きたものとはいえ、これまで前例がなかったことを考えると、スマートフォンの安全性設計があらためて問われる出来事となりました。今後、Googleがどのような説明や対策を示すのかが注目されます。