
海外の大手ガジェットメディア Android Authority が、Googleの最新スマートフォン「Pixel 10」シリーズの詳細なバッテリーテスト結果を公開しました。それによると、特に最上位モデル「Pixel 10 Pro XL」において、期待されたほどのバッテリー性能が得られていないと報告しています。
Pro XLは意外にも弱点に
Pixel 10 Pro XLはシリーズ内で最も大きなバッテリーを搭載していますが、テストではむしろ他の2モデルより稼働時間が短い結果となりました。通常のPixel 10やPixel 10 Proでは平均して約5時間前後のスクリーンオンタイムを確保できたのに対し、Pro XLは4時間程度にとどまるケースもあったとのことです。大型ディスプレイや120Hz駆動の影響、新しいAI機能による消費増などが要因として考えられています。

Tensor G5と新設計にもかかわらず伸び悩み
今回のPixel 10シリーズでは、チップセットがSamsung製からTSMC製3nmプロセスの「Tensor G5」へと移行し、理論上は大幅な効率改善が期待されていました。さらにバッテリー容量自体も前世代より増加していたため、事前には持ち時間の向上に期待が集まっていました。しかし実際のテストでは、軽い用途(Webブラウジングや動画再生)では一定の改善が見られたものの、Zoom通話や4K撮影といった負荷の高いシーンではむしろPixel 9より劣る結果も確認されています。
ユーザー体験と長期使用での懸念
実使用においても、Pixel 10および10 Proは一日持つケースが多いものの、2日目まで余裕を持って利用できる水準には至っていません。特にPro XLは20%以下まで落ち込むことが多く、バッテリーセーバーが作動する場面が頻繁にあったといいます。
さらに、Googleの「Battery Health Assistant」によって200回程度の充電サイクルからバッテリー容量が制限される仕様も指摘されており、長期使用を見据えると1~2回のバッテリー交換が必要になる可能性が高いと報じられています。
買うべきかどうか
Android Authorityは、「Pixel 10シリーズは日常的な使い方であれば一日を乗り切れるが、ヘビーユーザーにとっては物足りない可能性がある」と総括しています。競合のフラッグシップ機と比べても持ち時間では見劣りする場面が多く、充電速度も依然として遅めな点を考えると、購入検討時にはバッテリー性能を重視するかどうかを慎重に判断する必要があるでしょう。