
サムスン製でも「Galaxy」が最初ではない?
スマートフォン向けの新しい可変式ズームカメラ技術を、サムスン電機が開発していることが分かりました。しかし、最初に恩恵を受けるのはサムスンのGalaxyシリーズではなく、中国メーカーになる可能性が高いと報じられています。
この情報は韓国メディア「The Elec」が複数の業界関係者から得たもので、サムスン電機はすでに特定の中国スマホメーカーに向けて供給準備を進めているとのことです。その後、サムスン電子やその他メーカーへも展開する見込みとされています。
可変式ズームカメラとは?
現在の多くのスマートフォンは固定式の望遠カメラを採用しており、例えばGalaxy S25の3倍望遠は「3倍」で撮ったときがもっとも高画質ですが、それ以外の倍率ではデジタルズームや補正に頼るため画質が落ちやすいという課題があります。
一方、可変式ズームカメラは内部のレンズや部品が物理的に可動する仕組みを採用し、カメラ単体のように幅広い光学ズーム域で一貫した画質を実現できます。たとえばソニーのXperia 1 VIIは3.5倍から7.1倍までをシームレスにカバーしています。
ただし、この仕組みはモジュールが大型化しやすく、搭載できるセンサーサイズに制約が出るという弱点も指摘されています。実際、Xperia 1 VIIでは1200万画素の小型センサーを使わざるを得ず、ノイズや被写界深度の浅さに難があると評価されています。
次に採用するのはXiaomi?
今回のサムスンの技術については、まだ光学ズームの具体的なレンジは明らかになっていません。ただし関係者は「3倍から8倍」といった例を挙げており、LGが過去に発表した4倍から9倍の可変ズームに近い仕様になる可能性もあります。
さらに信頼性の高いリーカーの情報では、Xiaomiの次期フラッグシップ「Xiaomi 16 Ultra」に採用されるのではないかとの見方も出ています。
今後の展開に期待
Galaxy S26 Ultraなどの次期Galaxyでこの技術を体験できるのはもう少し先になりそうですが、もし高解像度センサーと組み合わされれば、これまでのスマホ撮影体験を大きく変える可能性があります。
可変式ズームカメラは万能解決策ではないものの、ユーザーにとっては選択肢が広がる魅力的な進化であることは間違いありません。サムスンが中国メーカーに先行供給することで、市場全体でこの技術の普及が加速するかどうかに注目が集まります。