
Samsungの最新折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold 7」と「Galaxy Z Flip 7」約12,000台が、イギリス・ロンドンのヒースロー空港近郊で輸送中に盗まれるという前代未聞の大型窃盗事件が発生しました。被害総額は約1,560万ドル(約15億7,000万円)にのぼり、テック業界を揺るがすニュースとなっています。
輸送中のトラックがハイジャック、Z Fold 7/Flip 7など12,000台が行方不明に
著名リーカーの@UniverseIce氏によると、事件が発生したのは先週末。ヒースロー空港に到着したばかりのSamsung製品を積んだトラックが倉庫へ向かう途中で襲撃され、Galaxy Z Fold 7やZ Flip 7を中心とする大量の製品が盗難被害に遭いました。
今回の積荷には、Fold/Flipシリーズだけでなく、Galaxy S25シリーズやGalaxy Watch 8といった最新製品も含まれていたとされます。Z Flip 7はイギリス市場で1,049ポンド(約15万5,000円)、Z Fold 7は1,799ポンド(約26万6,000円)からの高価格帯製品であり、非常に価値の高いターゲットだったことは明らかです。
この事件により、イギリス国内のSamsung製品供給に遅延が発生する可能性が高く、7月9日のグローバル発売以降、予約購入を済ませたユーザーにも影響が及ぶことが懸念されています。
ヒースロー空港の物流拠点としての脆弱性、過去にも繰り返される同様の事件
ヒースロー空港は欧州でも最大級の物流拠点であり、その規模ゆえに組織的な電子機器窃盗の標的となるケースが後を絶ちません。イギリス警察の発表によれば、盗まれたスマートフォンのうち約75%が72時間以内に国外へ密輸されており、回収は極めて困難だとされています。
実際、今年初めにも同空港近くで1,000台規模のスマートフォン盗難事件が発生し、その一部が押収されるも、被害の全容解明には至りませんでした。盗難品はIMEI番号がブロックされ、正規サポートや保証が受けられない「ブラックリスト品」として闇市場に流通し、購入者が被害に遭うリスクも高まります。
Samsungは現在調査中、非公式販売ルートに注意喚起
Samsungは本記事執筆時点で公式声明を出していませんが、今後は物流パートナーや捜査当局と連携し、被害拡大防止に向けた対応を進めるものと見られます。