
先日、シャオミが国内リリースを発表したサブブランドPOCOの最新モデル「POCO F7」。
これで、同シリーズは国内でもPOCO F7 Ultra、POCO F7 Pro、POCO F7の3モデル全てが展開されることになります。
そしてこれら3機種の最大の違いと言えばなんといっても搭載チップセットで、
- POCO F7 Ultra – Snapdragon 8 Elite
- POCO F7 Pro – Snapdragon 8 Gen 3
- POCO F7 – Snapdragon 8s Gen 4
となっています。当然、スペック上ではPOCO F7 Ultraに搭載のSnapdragon 8 Eliteが最も高性能のはずですが、実際に3機種のベンチマーク性能を比較すると、意外な点も見えてきました。
POCO F7 Ultra、Pro、無印のベンチマーク性能比較
以下はGeekbench 6.0のCPUベンチマークスコア。

そして以下はそれぞれの期近50回分の計測結果の平均と標準偏差を表にしたもの:
POCO F7 Ultra | POCO F7 Pro | POCO F7 | |
シングルコア平均 | 2,006.14 | 2,051.80 | 2,010.18 |
シングルコア標準偏差 | 632.07 | 177.58 | 143.73 |
マルチコア平均 | 6,842.10 | 6,185.84 | 6,282.76 |
マルチコア標準偏差 | 1,233.88 | 403.10 | 257.06 |
POCO F7 Ultraは高性能ながら「不安定」
まず興味深いのはシングルコアにおいてはいずれの機種にもほとんど差がないという点。
一方、マルチコアではやはりSD8Elite搭載のUltraが他の2機種よりも1割前後スコアが高くなっています。
ただ、その一方で非常に気になるのがそれぞれの標準偏差。これは計測毎のスコアのばらつきを表したもので、数値が大きければ大きいほど性能が不安定である、とも言えます。
そしてこの数値がダントツで大きいのがPOCO F7 Ultraで、シングルコア、マルチコアのいずれにおいても同モデルのスコアが非常に不安定であることが分かります。
一方、SD8sGen4搭載の無印モデルはUltraだけでなく、SD8Gen3搭載のProよりも性能が安定していることが分かります。
GPU性能ではUltraがProと無印を圧倒
一方、以下はGeekbenchのGPUベンチマーク(Open CL)の平均スコア:
POCO F7 Ultra | POCO F7 Pro | POCO F7 | |
シングルコア平均 | 16,772.06 | 14,803.17 | 13,509.78 |
GPU性能においてはやはり最新フラッグシップ向けチップセットを搭載したPOCO F7 Ulraが他の2機種に大きく差をつけています。
どの機種を選ぶ?
一世代前のフラッグシップモデル向けチップセット、Snapdragon 8 Gen 3を搭載したPOCO F7 Proと最新のSnapdragon 8 Eliteのダウングレード版チップセット、Snapdragon 8s Gen 4を搭載した無印のPOCO F7では、少なくともベンチマーク上の性能では無印の方が優秀であることが分かります。
よって、他の面でこだわりがなければPOCO F7 ProとF7で前者を選ぶ理由というのはあまりないように思えます。
一方、グラフィック処理に高負荷のかかるゲームなどをするのであれば最上位モデルのPOCO F7 Ultraが最も快適な動作が期待できると思われます。ただ、このUltraは発熱などによるスロットリングがキックインしやすい可能性が高カク、一時的な性能低下が著しいというマイナス点もありそうです。