
9月の正式発表が予想されるMediaTekの新型フラッグシップチップ「Dimensity 9500」の性能が、一足先にベンチマークスコアから明らかになりました。信頼性の高い中国のリーカー「Digital Chat Station」によると、このチップは前世代から大きな飛躍を遂げており、Qualcommの次期ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Elite 2」に肉薄する性能を備えているとのことです。
Geekbenchスコアで前世代から大幅向上
Digital Chat Stationが公開した情報によれば、Dimensity 9500はGeekbench 6でシングルコアが3,900点超、マルチコアで11,000点を超えるスコアを記録しています。これは、前モデルDimensity 9400のスコア(シングルコア:約2,900点、マルチコア:約9,200点)と比較して、飛躍的な性能向上となっています。

さらに、Dimensity 9500はAnTuTuベンチマークでも400万点超をマークしているとされており、実行性能においても最上位クラスであることが伺えます。
新設計アーキテクチャと先進の製造プロセス
Dimensity 9500は、TSMCの最新3nmプロセス「N3P」で製造され、電力効率とパフォーマンスがさらに最適化されています。CPU構成には「全コア高性能型(All-big-core)」の8コア設計を採用。構成は以下の通りです。
- Travisコア×1(Arm Cortex-X9ベース)
- Altoコア×3(Arm Cortex-X9ベース)
- Gelasコア×4(Arm A7系ベース)
これまで使用されていたCortex-X4ベースから完全に刷新されており、構造レベルでの進化が図られています。
GPUには、新設計の「Immortalis-Drage」を搭載。レイトレーシング性能が向上しただけでなく、消費電力も削減されており、ゲーミング用途にも最適とされています。
高速メモリとストレージへの対応で次世代体験を支援
Dimensity 9500は、16MBのL3キャッシュと10MBのシステムレベルキャッシュを搭載。これによりデータスループットの大幅な向上が期待されます。また、LPDDR5Xメモリは最大10,667Mbpsの帯域に対応し、ストレージもUFS 4.1を4レーン構成でサポート。8K動画の処理や重負荷のマルチタスクなど、ハイエンドスマートフォンに求められる要件を余裕でクリアする仕様です。
初搭載モデルはVivoとOPPOの次世代機か
リーク情報によると、Dimensity 9500を最初に搭載するスマートフォンは、9月に登場予定の「Vivo X300」シリーズになる見通しです。同時期に発表が見込まれる「OPPO Find X9」シリーズにも同チップが採用されると噂されています。
Snapdragonと並ぶ性能を備えたDimensity 9500は、次世代ハイエンドスマートフォン市場において大きな存在感を放つことになりそうです。正式発表と実機搭載のタイミングに向けて、今後の動向にも注目が集まります。