Galaxy S26に向けた第一歩──Samsung、世界初の2nmスマホチップ「Exynos 2600」の試作量産を開始

サムスンが開発を進めている次世代モバイルチップ「Exynos 2600」が、ついに試作段階での量産体制に入りました。このチップは2026年初頭に登場予定の「Galaxy S26」シリーズへの搭載が見込まれており、実現すればスマートフォン向けとして世界初の2nmプロセスチップとなる可能性があります。


2nmプロセス「SF2」で製造開始

韓国メディアの報道によると、「Exynos 2600」はサムスンが開発した先端のSF2(2nm)プロセスで製造されており、すでに試作段階ながら量産体制に入っているとのことです。このチップは「Galaxy S26」および「S26+」への搭載が予定されており、発売時期は2026年2月頃と見られています。

一方で、上位モデルにあたる「Galaxy S26 Ultra」には、前モデルと同様、Qualcomm製の「Snapdragon 8 Elite 2」が採用される可能性が高いとされています。これは、「S24 Ultra」がSnapdragon限定だった流れを踏襲するものです。


歴史的なチャレンジも、量産の壁は依然高く

Exynos 2600の量産はすでに始まっていますが、歩留まり(製造成功率)の面ではまだ課題を抱えています。現在の歩留まりは約50%とされており、従来の報告(40%)からは改善が見られるものの、本格的な量産には60%以上の歩留まりが求められます。この目標の達成は2025年末以降になるとの見方が強まっています。

なお、2024年に登場したExynos 2500も、SF3プロセスの歩留まり問題でスケジュールが大きく遅れ、最終的に「Galaxy Z Flip 7」での採用にずれ込んだ経緯があります。一方で、同時期に発売される「Galaxy Z Fold 7」にはSnapdragon 8 Eliteが採用されることがすでに確定しています。

一部では、今回のSF2プロセスが事実上のSF3(厳密にはSF3P)の改良版に過ぎないとの見方もあり、今後の歩留まり改善に向けて懸念が広がっています。


性能・効率で競合と真っ向勝負できるか

気になるのは、Exynos 2600がライバル製品と比較してどれだけの性能を発揮できるかという点です。前世代のExynos 2500は、ベンチマークテストでSnapdragon 8系やMediaTekのDimensity 9000番台に後れを取っており、System LSI(設計部門)とFoundry(製造部門)には高いプレッシャーがかかっています。

Exynos 2600の成功は、サムスンにとって単なるスマートフォンチップの話にとどまりません。同社がTSMCに対抗する先端半導体製造のプレイヤーとして存在感を示す鍵となり、同時にQualcommへの依存を減らす重要な一歩にもなり得ます。


Exynos 2600が予定どおりGalaxy S26シリーズに搭載され、世界初の2nmスマホチップとして市場に登場すれば、サムスンにとって大きな転換点となります。しかし、技術的ハードルは依然として高く、今後の製造状況と性能検証の結果が注目されます。モバイル半導体戦争の次なる舞台は、ますます激しさを増しそうです。

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