
Googleが今夏の発売を予定しているPixel 10シリーズに、ついにユーザーから最も要望の多かった機能のひとつが搭載される見込みです。Android Authorityが独自に入手した情報によると、Googleは「Pixelsnap」という名称で磁気対応のQi 2.2アクセサリ・シリーズを展開する準備を進めていることが明らかになりました。
磁力で固定、Pixel 10がスマートディスプレイに早変わり?
Appleが2023年にMagSafe技術をWireless Power Consortiumに提供したにもかかわらず、現在のAndroidスマートフォンでは、これに準拠した製品はほぼ存在しません。そんななか、GoogleはPixel 10でついにQi 2.2規格と**Magnetic Power Profile(MPP)**をサポートする計画です。
Android Authorityが確認した販売業者向け資料によれば、現在開発中のアクセサリには以下の3種類が含まれています。
- Pixelsnap Charger(磁気充電器)
- Pixelsnap Charger with Stand(スタンド一体型磁気充電器)
- Pixelsnap Ring Stand(スタンド兼グリップリング)
名称から推測するに、Pixelsnap ChargerはAppleのMagSafeのようなシンプルな円形充電パッド、Ring Standは端末を立てて使えるリング状のアクセサリ、そしてCharger with Standはその両者を兼ねた製品とみられます。
さらに、Googleはスマートディスプレイ機能「Hubモード」をPixel 10に導入する計画も進めており、このPixelsnapシリーズとの組み合わせによって、iPhoneの「スタンバイモード」のようにPixel 10を充電中に情報表示端末として使える可能性が高まっています。
コードネーム「STN4」、カラーは“Rock Candy”と“Mist”
本件についてさらに調査を進めたところ、Googleの貿易関連データベースにも「Pixelsnap Charger」が登録されていることが確認されました。記載によれば、このアクセサリはQi 2.2およびMPPに対応しており、コードネームは「STN4」。カラーバリエーションとして「Rock Candy」と「Mist」が用意されるとのことです。
この2色は、Google社内での通称であり、Rock Candyはブラック系、MistはPixel 9 Pro Foldで使用された「Porcelain(ポーセリン)」の色味を示すことから、ややくすんだ白系カラーになる可能性が高いと考えられます。
また、Pixel 10シリーズがQi 2.2に対応するために搭載する充電コントローラーチップ「ConvenientPower CPS4041」は理論上最大60W出力まで対応可能とのこと。ただし、実際にどの程度の出力で提供されるかはGoogleの調整次第となります。
Pixel Standの“後継”となる可能性も
Googleは過去にPixel Standという充電台を展開していましたが、今回のPixelsnapシリーズはその精神的な後継とも言える存在です。磁気を利用した着脱のしやすさと安定性、さらにQi 2.2による高効率なワイヤレス充電が組み合わさることで、Pixel 10の利便性が一段と高まることは間違いありません。
Androidスマートフォンで初となる本格的な磁気ワイヤレスエコシステムの登場は、多くのユーザーにとって歓迎すべきニュースとなるでしょう。
Pixel 10シリーズの正式発表は8月に予定されており、今後の続報にも注目です。