半導体業界の競争が激化する中、サムスンの最先端プロセス開発に関する気になる噂が浮上しました。最新のリークによると、同社は次世代の1.4nmプロセスをキャンセルした可能性があるとされています。正式な発表はなく、詳細な理由も明らかにされていませんが、これは同社のファウンドリー事業が依然として厳しい状況にあることを示唆しているのかもしれません。
TSMCとの差が拡大するサムスンのファウンドリー事業
2024年第4四半期の市場シェアデータによると、台湾のTSMCはファウンドリー市場の67.1%を占め、サムスンとの差をさらに広げています。サムスンは2nm GAAプロセスの試験生産で歩留まり30%を達成したものの、TSMCの2nmプロセスの試験歩留まりが60%に達していると報じられており、競争力の差が明確になっています。
この状況を受け、サムスンは3nm GAAの低迷を教訓に、1.4nmではなく2nmの量産安定化に注力する戦略を取った可能性が高いと考えられます。
Exynos 2600量産に向け、2nmの歩留まり向上に集中か
サムスンは5月から次世代SoC「Exynos 2600」の生産を開始する予定であり、2nm GAA技術の歩留まり向上が急務となっています。同社はこの技術をGalaxy S26シリーズに採用するだけでなく、外部顧客の確保にもつなげたい考えです。
しかし、これを実現するにはリソースの集中が必要となり、結果として1.4nmプロセスの開発を見送る判断に至った可能性があります。この決定が一時的なものなのか、それとも長期的な戦略変更なのかは現時点では不明です。
今後の展望—サムスンの巻き返しは可能か
TSMCとサムスンの間で技術格差が広がる中、サムスンがこのまま1.4nmプロセスを諦めるとは考えにくいでしょう。過去には同社の幹部がファウンドリー事業のスピンオフは考えていないと明言しており、今後も技術開発を継続する意向を示しています。
現時点では、サムスンの戦略が成功するかどうかは未知数ですが、競争が続く限り、ファウンドリー事業の動向から目が離せません。今後の発表に注目したいところです。
