
Appleの最新モデル「iPhone 16e」に搭載された独自開発の通信モデム「Apple C1」が、予想外のパフォーマンスを発揮していることが明らかになりました。従来のQualcomm製モデムを採用したiPhone 16シリーズと比較して、通信性能はほぼ同等ながら、省電力性では明確な優位性があるとのこと。
Apple独自開発のC1モデム、その実力は?
iPhone 16eには、Appleが自社開発した無線通信モデム「Apple C1」が初搭載されており、これまでのQualcomm製モデムからの脱却を目指す取り組みの一環とされています。
このC1モデムはミリ波(mmWave)には対応していないため、理論上の最高速度ではiPhone 16に劣ると見られていました。しかし、実際の使用環境ではmmWaveの利用可能エリアが限られるため、多くのユーザーが利用する中帯域(Sub-6GHz)5Gの性能が重要になります。
5G通信テストの結果—iPhone 16と遜色なし、むしろ省電力
中国のテックレビュアー「Geekerwan」による5G通信テストでは、iPhone 16eの通信性能はiPhone 16とほぼ同等であることが確認されました。さらに驚くべきことに、消費電力が大幅に低いことも判明しています。

具体的なデータは以下の通りです。
- 5G通信時の平均消費電力
- iPhone 16:0.88W
- iPhone 16e:0.67W(約24%低減)
- 低信号環境下での平均消費電力
- iPhone 16:0.81W
- iPhone 16e:0.67W(約17%低減)
さらに、5G動画ストリーミングテストでは、iPhone 16eが7時間53分の駆動時間を記録。これは、
- iPhone 16(7時間)
- iPhone 16 Pro(6時間54分)
を上回る結果となっています。

バッテリー容量の影響も?
C1モデムの省電力性能によるバッテリー持ちの向上は明らかですが、単純にバッテリー容量の違いも影響している可能性があります。報道によると、iPhone 16eのバッテリー容量は3,961mAhと、iPhone 16 Proより約12%大きいとのこと。
最終的なバッテリーライフの評価は今後の詳細レビューを待つ必要がありますが、C1モデムの実力は十分に証明されたと言えそうです。
Apple独自モデムの未来は?
今回の結果を受け、Appleが今後もQualcomm依存から脱却し、独自モデム開発を進めていく可能性はさらに高まりました。C1モデムはまだ初の試みですが、5G性能を維持しつつ省電力性を向上させるという大きな成果を見せています。
今後のiPhoneにどのような進化がもたらされるのか、Appleの次の一手に注目です。