
米トランプ氏関連のスマートフォンとして注目を集める「Trump Mobile T1 Phone」が、YouTubeチャンネルJerryRigEverythingによる耐久テストと分解検証を受けました。本体は傷や曲げに耐える堅牢性を示した一方、内部構造は2024年に発売されたHTC U24 Proとほぼ同一であることが改めて確認されました。
傷や曲げに耐えたT1 Phone
JerryRigEverythingを運営するZack Nelson氏は、T1 Phoneに対してディスプレイの傷つきやすさや本体フレームの強度を調べるテストを実施しました。
ディスプレイにはモース硬度6で傷が付き始め、硬度7ではより深い傷が確認されました。これは現代のスマートフォンとして一般的な水準です。また、金属製フレームにも問題は見られず、本体を前後から強く曲げても、折れたり明らかな構造上の破損が生じたりすることはありませんでした。
物理的な耐久性については、一定の評価ができる結果となっています。ただし、耐久性の高さと製品としての独自性は別の問題です。
内部構造はHTC U24 Proとほぼ同じ
今回の検証で注目されるのは、T1 Phoneの内部構造です。
修理情報サイトのiFixitは以前の分解調査で、T1 Phoneが2024年発売のHTC U24 Proをベースにした製品であることを指摘していました。今回の分解でも、両機種の内部構造が非常によく似ていることが確認されています。
ネジの配置や基板のレイアウト、バッテリーの位置に加え、サブ基板に印字されたモデル番号まで一致していたといいます。本体外側も、サイズやボタンの配置、イヤホンジャック、microSDカードスロットなどが共通しています。
主な違いとして挙げられるのは、T1 Phoneの金色のプラスチック製背面パネルや、デザインを変更したカメラ部分です。外観には独自の変更が加えられているものの、内部のハードウェアはHTC U24 Proとの共通性が極めて高いことがうかがえます。
基板を入れ替えても両機種が動作
さらに今回の検証では、T1 PhoneとHTC U24 Proのメイン基板を互いに入れ替えるテストも行われました。
その結果、基板を交換した状態でも両方の端末が正常に起動しました。単に部品の配置が似ているだけでなく、基板を相互に移植できるほどハードウェアの構成が共通していることを示す結果です。
この検証は、T1 PhoneがHTC U24 Proをベースにしているという従来の指摘を、さらに裏付けるものとなりました。
なお、今回テストされたT1 Phoneは以前に水没したことがある個体でしたが、内部の液体侵入インジケーターは白色のままだったといいます。少なくとも、確認されたインジケーターの位置には水が到達していなかったことが示唆されます。ただし、この結果だけで端末全体の防水性能を判断することはできません。
耐久性と独自性は別の評価軸に
T1 Phoneは、今回の耐久テストでは本体の強度を示しました。一方、分解によって明らかになったのは、既存のHTC製スマートフォンとの強い共通性です。
既存機種をベースに製品を開発すること自体は珍しくありません。しかし、外観の変更が中心で、内部構造や主要部品までほぼ共通しているのであれば、購入者にとってどのような付加価値があるのかが重要になります。
今回の検証はT1 Phoneの耐久性を評価する材料になる一方、HTC U24 Proとの差別化という点では疑問を残す結果となりました。

