
ソニーが次世代携帯ゲーム機として開発しているとされるPSP 3について、専用ドックに接続した際の性能がこれまでの予測を大きく上回る可能性が浮上しています。最新の試算では、TSMCのN3Pプロセスを採用したカスタムチップ「Kynis」により、ドック接続時のGPU性能は最大11.5TFLOPSに達するとされています。
携帯モードでは約7.5TFLOPS
PSP 3に搭載されるとされるKynisは、Zen 6c CPUコアとRDNA 5 GPUを組み合わせたハイブリッドプロセッサです。
携帯モードでは消費電力を約15Wに抑える必要があるため、GPU性能は最大約7.5TFLOPSになるとみられています。1080pや1440pといった携帯機のディスプレイ解像度でゲームを動作させるには十分な性能を確保しつつ、バッテリー消費や発熱を抑える設計になるようです。
一方、KynisにはTSMCのN3Pプロセスが採用されるとされており、従来の3nmプロセスを前提とした試算よりも高い動作周波数を実現できる可能性があります。N3Pではロジック密度が約4%向上し、リーク電流も約10%低減するとされており、性能と電力効率の両面で余裕が生まれるとされています。
ドック接続で11.5TFLOPSに到達か
専用ドックに本体をセットすると、携帯モードで大きな制約となるバッテリー容量や消費電力の制限がなくなります。さらに、ドック側の電源とアクティブ冷却を利用できるため、KynisのGPUをより高いクロックで動作させられる可能性があります。
今回の試算では、ドック接続時にGPUクロックを最大1.85GHzまで引き上げることで、RDNA 5 GPUの演算性能は約11.5TFLOPSに達するとされています。

これまでの予測では約10.3TFLOPSとされていましたが、N3Pプロセスによる動作周波数の向上を考慮すると、さらに高い性能を実現できる可能性があるというわけです。携帯モードの約7.5TFLOPSと比較すると、ドック接続時は約53%もの性能向上になる計算です。
PS5やPS5 Slimを上回るとの試算
11.5TFLOPSという数字が実現すれば、PSP 3はドック接続時に初代PS5およびPS5 SlimをGPU性能で上回ることになります。
PS5およびPS5 SlimのGPU性能は最大約10.3TFLOPSとされているため、単純なTFLOPS比較ではPSP 3のほうが約12%高い計算です。
もちろん、TFLOPSだけでゲーム機の実際の性能を判断することはできません。GPUアーキテクチャやメモリ帯域、CPU性能、ゲーム側の最適化などによって実際のフレームレートや画質は大きく変わります。それでも、携帯ゲーム機がドック接続時に現行PS5を上回るという今回の試算は、かなり興味深いものです。
24GBのメモリとPSSRにも対応か
Kynisには24GBのLPDDR5X統合メモリが組み合わされ、メモリ帯域幅は250GB/sを超えるとされています。大容量のテクスチャを使用するゲームでも、メモリ容量がボトルネックになる場面を減らせる可能性があります。
さらに、ハードウェアによるPSSRアップスケーリングにも対応するとされており、HDMI 2.1経由で4K解像度をターゲットにした映像出力も可能になるとみられています。最大120Hzの高リフレッシュレートにも対応するとされており、ドック接続時には携帯機というより据え置き型ゲーム機に近い使い方ができそうです。
ただし、今回の11.5TFLOPSという数字は現時点で公式に確認されたものではなく、あくまでエンジニアリング上の試算に基づく情報です。
次世代据え置き機として開発されているとされるPS6は、Magnusチップによって約40TFLOPS、PS5 Proは約16.7TFLOPSとされており、PSP 3がそれらを上回るわけではありません。
それでも、ドック接続時にPS5を超える可能性があるのであれば、PSP 3は携帯ゲーム機としてだけでなく、テレビに接続して据え置き機としても利用できる非常に高性能なハードになる可能性があります。今後、実機の仕様やクロック周波数、ゲーム性能に関する情報が明らかになることで、実際にどこまでPS5に迫れるのかが注目されます。
