
Qualcommが次世代フラッグシップSoCとして準備しているとされるSnapdragon 8 Elite Gen 6 Proが、正式発表を前に中国の中古マーケットで出品されていたことが判明しました。出品されたのは一般向けの製品ではなく、テスト用のエンジニアリングサンプルとみられますが、チップそのものが市場に流出したことで、発売前の仕様やパッケージ構造をうかがえる材料として注目されています。
9月の正式発表を前にエンジニアリングサンプルが出品
今回見つかったのは、中国最大級の中古マーケットプレイス「閑魚(Xianyu)」で、深センの業者が一時的に出品していたチップです。
出品されていたのは「SM8975-100-BC」という型番のSnapdragon 8 Elite Gen 6 Proとされるチップで、テストボードから取り外したデソルダー済みのエンジニアリングサンプルとして販売されていました。

価格欄には仮の価格として300元(約42ドル)が設定されていましたが、実際の価格は交渉制とされていました。修理やチップのリワーク用途として販売され、業者側は複数個の在庫があるとも説明していたようです。
ただ、この出品は掲載後まもなく削除されています。
Snapdragon 8 Elite Gen 6は2種類登場か
今回の流出品が注目される理由の一つが、SM8975という型番です。この型番は以前から、今回の世代におけるQualcommの上位フラッグシップSoCと関連付けられてきました。
Qualcommはすでに、次回のSnapdragon Summitで従来のように1種類の8 Eliteシリーズだけではなく、2種類の「8 Elite」チップを発表することを示唆しています。
Snapdragon Summitは9月22日から24日にかけて米ハワイ州マウイで開催される予定で、正式発表は今回の出品から1カ月以上先となります。そのため、今回のチップは本来まだ市場に出るはずのない開発段階のサンプルとみられます。
チップの製造時期やパッケージ構造も判明?
出品されたチップの写真には、「SM8975-100-BC」というレーザー刻印が確認されており、初期リビジョンのLPDDR5X対応エンジニアリングサンプルとみられています。
さらに「FC5528M5」「FX602R8T」という2種類のロットコードも確認されています。これらは製造工場や組み立て拠点、パッケージング時期などを示すコードとされ、解析によれば、いずれもTSMCで製造された可能性があります。
製造プロセスについてはTSMCのN2Pノードが使われた可能性が指摘されており、パッケージングはAmkorの施設で行われたとされています。一方は2025年12月下旬ごろに韓国で、もう一方は2026年1月上旬ごろに日本でパッケージングされた可能性があるようです。
また、これらのサンプルは2026年2月3日ごろからスマートフォンメーカーなどのOEMに渡り始めたとも伝えられています。
発熱対策には独自のヒートスプレッダーを採用?
写真からは、チップのダイとパッケージ上部の間に内部ヒートスプレッダーが配置されていることも確認できます。
これは、SamsungがExynos 2600で採用している「Heat Pass Block」に対抗するQualcomm側の発熱対策とみられています。
ただし、今回確認されたヒートスプレッダーはSamsungのものより小型に見えます。これは、QualcommのパッケージがLPDDR6とLPDDR5Xの両方に対応する必要があり、その分ボールグリッドアレイが大きくなって、熱対策に使えるスペースが限られているためではないかとされています。
Snapdragon 8 Elite Gen 6 Proについては、9月の正式発表を前にエンジニアリングサンプルが流出したことで、これまで不明だったチップのパッケージや製造時期などにも少しずつ情報が出てきました。今後、実際のCPU構成や性能、消費電力などについても新たな情報が登場する可能性がありそうです。

