Apple新CEOのジョン・ターナス氏、製品デザインを再び最重要視か

Appleの新CEOに就任したジョン・ターナス氏が、製品デザインをこれまで以上に重視しているようです。BloombergのMark Gurman氏によると、ターナス氏はCEO就任後、Appleのデザインスタジオを週に何度も訪れており、場合によっては1日に複数回足を運ぶこともあるといいます。

これは、月に1回程度しかデザインスタジオを訪れなかったとされる前CEOのティム・クック氏と比べても大きな違いです。Appleの製品づくりにおいて、ターナス氏がデザインを改めて重要な位置に置こうとしていることがうかがえます。

デザイン部門との連携をさらに強化

ターナス氏はCEOに就任する以前からハードウェアエンジニアリング部門のトップを務めており、製品開発ではデザインチームと密接に関わってきました。

しかしCEO就任後はさらに一歩踏み込み、工業デザインだけでなく、ヒューマンインターフェースを担当するチームにも深く関与しているとされています。

Apple製品は以前からデザイン面で高い評価を受けてきましたが、ターナス氏は単に見た目の美しさを追求するだけでなく、製品全体のデザインをAppleの重要な強みとして改めて位置付けようとしているようです。

一方で、この方針転換には少し気になる点もあります。というのも、Appleでは過去にもデザインを優先した結果、使い勝手や耐久性とのバランスを欠いた製品が登場したことがあるためです。

ジョニー・アイブ時代には機能性との衝突も

Appleのデザインを語るうえで欠かせないのが、長年にわたって同社の製品デザインを率いたジョニー・アイブ氏です。

アイブ氏の時代には、iPhoneやMacをはじめ、Appleを象徴する数多くの製品が生み出されました。薄型化やシンプルなデザインを追求した製品はAppleのブランドイメージを大きく高めましたが、その一方で、デザインを優先するあまり機能性にしわ寄せが生じた例もあります。

その代表例の一つがMacBook Proなどの薄型化です。筐体を薄くすることを重視した結果、冷却性能などとのバランスが問題視されることがありました。

さらに、Magic Mouse 2では充電用のLightningポートを本体底面に配置したことで、充電中にマウスを実質的に使用できないという独特の仕様が採用されています。

見た目の美しさを優先した結果、日常的な使い勝手に疑問が残る設計として、現在でもたびたび話題になる部分です。

バタフライキーボードの教訓は生かされるのか

MacBookシリーズで採用されたバタフライキーボードも、デザインと機能性のバランスをめぐるAppleの象徴的な事例です。

薄型化を実現するために採用された構造でしたが、キーの内部にホコリや小さなゴミが入り込むことで、キーが正常に動作しなくなる問題が発生しました。最終的にAppleは従来とは異なるシザー構造のキーボードへと移行しています。

そして興味深いのは、ターナス氏自身も当時のバタフライキーボードの開発に関わっていたことです。

そのため、今回のデザイン重視への転換が、過去の失敗を踏まえたうえでのものなのか、それとも再びデザイン優先の方向へ進むことになるのかは注目されます。

もちろん、デザインを重視すること自体が問題なのではありません。Appleがこれまで強みとしてきた美しい製品デザインと、耐久性や使いやすさ、性能といった実用面をどこまで両立できるかが重要になります。

ターナス氏がAppleの新たなトップとしてどのような製品を送り出すのかは、今後のiPhoneやMacを含む幅広い製品に影響を与える可能性があります。過去のAppleが経験したデザインと機能性のバランスをめぐる問題を教訓に、今度は美しさだけでなく、実際の使い勝手まで含めたデザイン哲学を打ち出せるのか注目されます。

ソース

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