
Nothingが「日本を含む複数市場から撤退する」との報道を公式に否定した一方で、同社を巡っては新たな懸念材料も浮上しています。
英国で登記されているNothingの本社法人では、決算書の提出遅延や一時的な強制解散手続きの対象となっていたことが判明しました。また、組織再編に伴う人員削減も明らかになっており、経営体制の見直しが進められているようです。
市場撤退報道はNothingが否定
発端となったのは、Nothingが日本を含む12以上の市場から撤退する可能性があるとする海外メディアの報道でした。
これに対し、Nothing共同創業者のアキス・エヴァンゲリディス氏はSNSで「フェイクニュース」とコメントし、市場撤退を明確に否定しています。
また、最新のNothing Phone (4b)については、発売初日に約3万台を販売し、この価格帯としては過去最高の実績だったと説明しており、事業は順調に推移していることを強調しました。
一方で、同社は組織再編の一環として人員削減を進めていることは認めています。
AI事業を強化するための新たな事業部門の設立や、各国ごとの組織を地域単位へ統合するなど、次の成長段階に向けた経営改革を進めているとしています。
英国本社では決算書の提出が半年以上遅延
そのような中、Blog of Mobileによると、Nothingの英国法人「NOTHING TECHNOLOGY」が財務面で問題を抱えていることも明らかになりました。
英国企業は毎年、政府機関である企業登記局へ決算書を提出する義務があります。しかし、Nothingは2024年度の決算書について、提出期限を迎えてから半年以上経過した現在も提出できていないとのことです。
なお、提出済みの2023年度決算書では、期末時点で債務超過の状態となっていたことも確認されています。
もちろん、決算書の提出遅延だけで企業経営を判断することはできませんが、本社の財務管理に課題が生じている可能性もありそうです。
一時は強制解散手続きの対象にも
さらに、Nothingは2026年3月に英国企業登記局から強制的な登記抹消手続きの通知を受け、一時は会社の強制解散手続きが開始されていました。
この手続きは、会社側が異議を申し立てなければ一定期間後に法人登記が抹消され、会社が解散となる制度です。
その後、Nothingが異議を申し立てたことで手続きは中止され、強制解散は回避されています。
すでに問題は解消された形ではあるものの、本社の法人運営で何らかのトラブルが発生していたことを示す出来事だったといえます。
日本市場への影響は現時点では不透明
Nothingは日本法人「Nothing Technology Japan」を設立しており、これまでスマートフォンやワイヤレスイヤホンなどを国内で積極的に展開してきました。
一方で、最新モデルのNothing Phone (4b)は現時点で日本投入が発表されておらず、市場撤退報道と今回の財務関連の話題が重なったことで、日本市場の今後を不安視する声も出ています。
ただし、Nothing自身は市場撤退を明確に否定しており、日本事業の終了を示す公式発表もありません。
現時点では、財務面の課題や組織再編が直ちに日本市場へ影響するとは断定できませんが、今後の事業戦略や製品展開に変化が生じる可能性もあるため、引き続き同社の動向を注視したいところです。新たな情報が判明し次第、続報をお伝えします。
