スマホの「バッテリーは5~6年持つ」は本当? メーカーが変え始めた新たな基準とは

スマートフォンメーカー各社が近年、「バッテリーは5年持つ」「6年間バッテリー性能を維持」といったアピールを積極的に行っています。しかし、その数字をそのまま受け取るのは少し注意が必要かもしれません。

近年はシリコンカーボンバッテリーの普及に合わせて、一部メーカーがバッテリー劣化の評価方法を従来とは異なる形で説明するケースが増えており、「数字上は長寿命に見えるものの、実態は必ずしも従来機種を上回っているとは限らない」との指摘が出ています。

従来は「充電サイクル」が長寿命の基準だった

これまでスマートフォンのバッテリー寿命は、「充電サイクル」で表されるのが一般的でした。

充電サイクルとは、バッテリー容量を100%使い切るごとに1回と数える方式です。例えば50%使って充電し、再び50%使えば合計で1サイクルとなります。

一般的には、

  • AppleやGoogleは約1,000サイクルで最大容量80%を維持
  • Samsungのハイエンドモデルでは約2,000サイクル

といった基準を公表しており、この数字から長期的な耐久性を比較することができました。

最近は「○年間バッテリー健康度維持」を強調

ところが最近では、OnePlusやOPPO、HONORなどが「4年間」「5年間」「6年間バッテリー健康度を維持」といった表現を前面に押し出すようになっています。

一見すると従来モデルより耐久性が向上したようにも見えますが、実際には充電サイクル数をあまり目立たない場所に記載するケースも増えています。

例えばOnePlus 12では約1,600サイクルが公表されていましたが、新しいOnePlus 15では「4年間のバッテリー寿命」をうたいながら、サイクル数は約1,100~1,400回程度とされており、必ずしも向上しているとは言えません。

大容量バッテリーだから「年数」が伸びるという考え方

この背景には、スマートフォンのバッテリー容量が急速に大型化していることがあります。

近年では7,000mAhを超えるモデルや、10,000mAhを超えるモデルまで登場しており、毎日充電する必要がないケースも珍しくありません。

メーカーは「以前は毎日1回充電していたものが、今では1.3日や2日に1回の充電で済む」という前提で、充電サイクルではなく「何年間使えるか」という表現を採用するようになっています。

つまり、充電回数そのものが減るため、結果として「5年」「6年」という数字が成立するという考え方です。

使い方によっては実際の寿命は変わる

もちろん、この考え方自体には一定の合理性があります。

大容量バッテリー搭載機であれば、多くのユーザーは毎日充電する必要がなく、従来より長期間バッテリー性能を維持できる可能性があります。

一方で、高画質動画の撮影やゲーム、GPSナビ、エミュレーターなどを頻繁に利用するヘビーユーザーは、毎日のようにフル充電・フル放電を繰り返すこともあります。その場合は、メーカーが想定する「○日に1回充電」という条件より早いペースで充電サイクルを消費することになり、実際の劣化速度も異なってくる可能性があります。

数字だけでなく条件も確認したい

「5年間バッテリー性能を維持」「6年間使える」といった表現は分かりやすい一方で、その前提条件まで確認しなければ、実際の耐久性を正確に比較することはできません。

特にシリコンカーボンバッテリーを採用するスマートフォンが増えている現在は、「何年持つか」だけでなく、「何回の充電サイクルを保証しているのか」にも注目することが重要になりそうです。

今後、AppleやGoogle、Samsungなどもシリコンカーボンバッテリーを採用する可能性がありますが、その際は各社がどのような基準でバッテリー寿命を公表するのかにも注目が集まりそうです。

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