
世界的なメモリ価格の高騰が続く中、メモリ大手Micronの幹部が、現在の供給不足や価格上昇の背景にAppleの過去の調達戦略があったとの見方を示し、業界内で注目を集めています。
近年、Appleは部品コスト上昇を理由に製品価格の引き上げを進めていますが、今度はサプライヤー側から逆に責任を指摘される形となりました。
Micron幹部がAppleの価格交渉姿勢を問題視
今回の発言を行ったのは、Micron TechnologyのチーフビジネスオフィサーであるSumit Sadana氏です。
同氏は、一部の大口顧客が数年前に極めて強い値下げ要求を行っていたことを明かし、そのような姿勢は業界全体にとって建設的ではなかったと指摘しました。
企業名こそ明言しなかったものの、報道ではその対象がAppleであるとみられています。
安値調達が投資停滞を招いたとの主張
Sadana氏によると、メモリ市況が低迷していた時期に、一部顧客は市場環境を利用して極端に安い価格でメモリを調達していたとのことです。
その結果、メモリメーカー各社の利益率は大きく悪化し、2023年には業界全体で設備投資の縮小や生産能力拡大計画の見直しが相次ぎました。
同氏は、現在の供給不足や価格高騰は当時の投資抑制の影響が積み重なった結果だとの見方を示しています。
Appleは以前から強い価格交渉で知られる
Appleは長年にわたりサプライチェーン全体に対して厳しいコスト削減を求める企業として知られています。
その一方で、最終製品の価格は継続的に上昇しており、ハイエンドiPhoneの価格は過去10年間で大幅に引き上げられています。
近年はDRAMやNANDフラッシュメモリの価格高騰を理由に、Apple自身も部品コスト上昇への懸念を繰り返し表明していますが、今回のMicronの発言はそうした主張に対する反論とも受け取れます。
メモリ業界も過去最高水準の利益を記録
もっとも、今回の議論は一方的なものではありません。
Micron自身も直近四半期では非常に高い利益率を記録しており、現在のメモリ価格高騰による恩恵を受けている企業の一つです。
そのため、市場関係者の間では「現在の供給不足の原因をすべてAppleに求めるのは難しい」との見方も出ています。
スマホ業界全体に広がるメモリ価格問題
メモリ価格の上昇はAppleだけでなく、Androidスマートフォンメーカーにも大きな影響を与えています。
実際に2026年に入ってからは、各社のフラッグシップモデルで価格上昇の動きが目立ち始めており、部品コストの増加が端末価格へ転嫁されるケースも増えています。
今回のMicron幹部の発言は、単なる企業間の責任論にとどまらず、世界的な半導体供給体制やスマートフォン価格の上昇を巡る問題の複雑さを改めて浮き彫りにした格好です。今後もメモリ市場の動向は、スマートフォンやPC、ゲーム機など幅広い製品価格に影響を与える重要な要素となりそうです。


