クアルコムが今月初めに発表した次世代ハイエンド向けチップセット、Snapdragon 8 Gen1。
一方、来年のハイエンドモデル向けチップとしてはMediatekのDimensity 9000も存在。
初めてハイエンド向けSnapdragonと互角に戦えるチップとして注目されています。
そんな中、このSnapdragon 8 Gen1とDimensity 9000の電力効率に関する非常に興味深い検証結果がWeibo上に投稿されていました。
以下は超チップに搭載されているプライマリーコア「Cortex-X2」およびセカンダリコア「Cortex-A710」の性能を比較したもの。
ご覧のようにA710のパフォーマンスはSnapdragon 8 Gen1の方が2割程度上回っていますが、X2に関してはほぼ同性能といったところ。
一方、今回の情報で非常に興味深いのは消費電力の違い。
Dimensity搭載のX2の2.65Wという数値は相当低いようで、これはCortex-X1のSnapdragon 888やExynos 2100といった前世代チップよりもエネルギー効率に優れているとのこと。
また、以下はAndSPECスコアを消費電力で割った数値の比較:
これによると、Dimensity 9000の電力効率はSnapdragon 9000と比べて最大で49%良い、とのこと。
つまり、ざっくりいうとSnapdragon 8 Gen1とDimensity 9000とでは同じプロセスを同じくらいの時間をかけて行っても、Snapdragon 8 Gen1の方が消費電力が1.5倍ほどになる、ともいえると思います。
もちろん、実使用では他のコアも同時に使われるので、これはあくまで部分的な比較でしかありません。
また、スマートフォン電力消費はディスプレイなどが大半をしめているので、実際のSnapdragon 8 Gen1搭載機とDimensity 9000の搭載機のバッテリー持ちの差はかなり小さくなると思います。
ただ、これだけCPUのプライマリコアの電力消費が違う、ということは発熱量も相当違うような気がします。
個人的には電力消費そのものより、その発熱による性能低下といった副作用の方が気になります。
Snapdragon 8 Gen1はすでにモトローラが同チップ搭載一番乗りモデルとしてMoto Edge X30を発表済みですが、国内でも2022年リリースが予想されている機種としてはXperia 1 IV/5 IVやGalaxy S22シリーズ、AQUOS R7などに搭載されることが確実視されています。
ただ、このSnapdragon 8 Gen1はMoto Edge X30でもSD888との比較で発熱が問題視されています。
今世代のSnapdragon vs Dimensityであまりに両者の発熱などに関する性能差がでてしまうと、次世代からはハイエンド向けチップ市場における勢力図にも大きな変化がでてくるかもしれませんね。
ソース:Weibo
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