
米テクノロジー企業Metaが、新たな人員削減を検討している可能性があると海外メディアが報じています。人工知能分野への大規模投資が続く中、コスト増加への対応と組織効率の向上を目的とした動きとみられています。
最大で従業員の約20%削減の可能性
報道によると、Metaは従業員の最大20%にあたる規模の人員削減を検討している可能性があるとされています。実施時期や具体的な人数などは現時点では決まっていないものの、同社の経営陣が幹部に対してコスト削減に向けた準備を始めるよう伝えたとされています。
この削減が実現した場合、影響を受ける人数はおよそ1万6000人規模になる可能性があります。これは近年の同社のリストラの中でも最大級となる規模です。
一方で、Metaの広報担当者は今回の報道について、理論上の可能性を扱った推測的な内容だと説明しており、現時点で具体的な計画を認めたわけではないとされています。
これまでも続いてきた人員削減
Metaではここ数年、組織再編の一環として人員削減が続いています。2022年11月には当時の従業員の約13%にあたる約1万1000人を削減し、その後も2023年に約1万人の追加削減を発表しました。
また2026年に入ってからも、同社のReality Labs部門で約1500人の人員削減が実施されています。同部門はメタバース関連事業を担っていましたが、同社はその後、仕事向けメタバースの取り組みを終了する方針も明らかにしています。
AI投資の急拡大が背景に
こうした動きの背景には、人工知能分野への巨額投資があります。Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは生成AIを同社の最重要分野の一つとして位置付けており、研究開発やインフラ整備を積極的に進めています。
同社はAI研究者の獲得に向けて高額報酬を提示しているほか、AIエージェント専用のSNSプラットフォームMoltbookを買収したとも報じられています。また2025年にはAI企業Manusを約20億ドルで買収したとされ、この取引は中国当局の注目も集めました。
さらに、2028年までにAI向けデータセンター整備へ総額6000億ドル規模の投資を計画しているとも報じられています。
AIによる業務変化を見据えた体制転換
ザッカーバーグCEOは2025年第4四半期の決算説明会で、2026年はAIが働き方を大きく変える年になるとの見方を示しました。また、AIによる業務効率化によって社内でもすでに変化が始まっていると説明しています。
AI活用によって生産性が高まる一方で、組織構造の見直しや人員配置の再編が進む可能性もあります。今回報じられている人員削減の検討も、こうした大きな転換の一環と見る向きがあります。
AI投資を急速に拡大するMetaが、今後どのような組織戦略を打ち出すのか。テクノロジー業界全体の雇用動向にも影響を与える可能性があり、その動きが注目されています。

