
Sonyのゲーム配信サービス「PlayStation Store」を巡り、英国で大規模な集団訴訟の審理が始まりました。請求額は総額約19億7,100万ポンド、日本円にしておよそ4,180億円に達する可能性があり、ゲーム業界でも大きな注目を集めています。
この訴訟は、消費者権利活動家のAlex Neill氏が主導する「PlayStation You Owe Us」と呼ばれる集団訴訟で、デジタルゲーム販売を巡る独占的な仕組みが消費者に不利益を与えたと主張しています。
PlayStation Storeの独占が争点
裁判の中心となっているのは、PlayStationのデジタルゲーム販売がPlayStation Storeに事実上限定されている点です。
訴えによると、ソニーはゲームのデジタル配信を自社ストアに限定する仕組みを採用しており、その結果として競争が生まれず、ゲーム価格が本来よりも高く設定されている可能性があるとされています。
原告側は、この仕組みによってゲーム価格が本来の競争環境に比べて約20%高くなっていたと主張しています。
最大で約162ポンドの返金の可能性
もし原告側が勝訴した場合、英国のPlayStationユーザーの多くが補償を受ける可能性があります。
対象となるのは、2016年8月19日から2026年2月12日までの間にPlayStation Storeでデジタルゲームや追加コンテンツを購入した英国在住のユーザーです。対象者は約1,220万人と推定されています。
補償額は1人あたり100~162ポンドと見込まれており、日本円では約2万1,200円から約3万4,300円程度となります。
問題とされる契約条件
訴訟では、ソニーがゲーム開発会社やパブリッシャーと結ぶ契約の内容も問題視されています。
この契約では、PlayStation向けのデジタルゲームを販売する場合、配信はPlayStation Network経由に限定されるとされており、他のデジタルストアで販売することが認められていないと指摘されています。
さらに、PlayStation Storeで販売されるゲームの小売価格はソニーが決定する仕組みとなっており、通常は約30%の手数料が設定されています。原告側は、こうした仕組みが市場支配力の乱用に当たると主張しています。
ソニーは「ゲーム機市場で競争はある」と反論
これに対しソニー側は、PlayStationの市場は単独ではなく、ゲーム機同士の競争によって成り立っていると反論しています。
つまり、ユーザーはMicrosoftのXboxなど他のゲーム機を選ぶこともできるため、PlayStation Store単独の独占市場ではないという立場です。
数週間続く見通しの大型裁判
裁判では、2009年から2024年までのソニーの内部文書なども証拠として提示され、デジタル配信戦略や価格設定の考え方が詳しく検証される見込みです。
審理は今後数週間続くと見られており、ゲーム業界のビジネスモデルに影響を与える可能性も指摘されています。
もし原告側の主張が認められれば、PlayStation Storeの価格設定やデジタルゲーム販売の仕組みに大きな変化が求められる可能性もあります。ゲーム業界にとっても重要な判例となる可能性があり、今後の動向が注目されます。


