
中国版XにあたるWeiboで10万人以上のフォロワーを抱えるアカウント「深一度观测」が、ソニーのスマートフォン事業について興味深い見解を投稿し、大きな注目を集めています。中でも特に衝撃的なのが、Xperiaの年間販売台数がわずか40万台規模にとどまっているとの指摘です。
ソニーは2019年にモバイル部門を他事業と統合して以降、Xperiaの販売台数を公式には公表していません。しかし、2024年に報じられたブルームバーグの情報では、2023年のXperia販売台数は約100万台とされていました。仮に今回言及されている40万台が2025年の実績だとすれば、わずか2年で販売規模が半分以下に縮小した可能性があることになります。
相次ぐ「撤退」の動きと新機種の影
投稿では、Xperia公式アカウントの更新停止や中国本土からの事実上の撤退といった動きを「数字上の撤退」と表現しています。これらは終焉の前触れとも受け取られかねない動きです。

一方で、GSMAのデータベースには最新モデルとみられるXperia 1 VIIIの存在が確認されており、さらにクアルコムの次世代チップSnapdragon 8 Elite Gen 5の顧客リストにもソニーの名前があるといいます。完全撤退とは言い切れない状況です。
年間40万台は失敗か、それとも計算済みか
年間40万台という規模は、グローバルメーカーとしては極めて小さい数字です。一般的な感覚では事業縮小、あるいは撤退水準と見る向きもあるでしょう。
しかし投稿では、これは単なる販売不振ではなく、戦略的な転換だと指摘しています。つまりXperiaは「大衆向け製品」から「BtoB向け技術ショーケース」へと役割を変えたという見方です。
本当の顧客はセンサーを買うメーカー
ソニーは世界最大級のCMOSセンサー供給企業です。近年はLytiaブランドのイメージセンサーを各社が採用し、スマートフォンのカメラ競争はセンサー性能が鍵を握っています。
投稿では、Xperiaの独特な設計思想、例えば19.5対9の縦長ディスプレイやSDカード対応、細かなマニュアル撮影機能などは、一般ユーザー向けというよりも、センサー性能を最大限に引き出す実験機、あるいは技術展示機としての役割が強いと分析しています。
実際、Xperiaが高性能センサーをどこまで活かせるかを示すことで、他社に対する技術的アピールになるという理屈です。
モバイルは「広告」、主戦場は半導体
年間40万台という販売規模は、巨大メーカーにとっては誇れる数字ではありません。しかし、ソニー全体の事業構造を考えれば見方は変わります。
モバイル事業が仮に赤字でも、イメージセンサー事業で十分な利益が出ていれば、Xperiaは技術広告として成立します。スマートフォン単体で勝つことよりも、業界全体にセンサーを売る側に立つことが重要というわけです。
魅族とは立場が違うという指摘
投稿では、中国メーカーの魅族を引き合いに出し、「ソニーは次のMeizuにはならない」と断言しています。Meizuはスマートフォン事業が中核であったため経営難に直面しましたが、ソニーは事業ポートフォリオがまったく異なります。
Xperiaが存続する理由は、スマートフォンで勝ち続けるためではなく、ソニー全体の技術戦略の一部として必要だからだという見立てです。
販売台数が100万台規模から40万台規模へと急減している可能性は、Xperiaブランドにとって厳しい現実を示しています。ただし、それが即座に撤退を意味するとは限りません。勝者ではなく「場を仕切る側」に立つという戦略転換が事実であれば、Xperiaはかつてとは異なる役割で生き続けることになります。今後の公式発表や実際の販売動向が注目されます。
