
スマートフォンの高性能化が進む中、バッテリー技術も大きな進化を求められています。Xiaomiはその解決策として「金砂江電池」と呼ばれる新しい高密度バッテリー技術を投入しました。最新のXiaomi 17シリーズや今後登場予定のPOCO X8 Proなどに採用されるとされています。
シリコンカーボン負極で容量を大幅向上
金砂江電池の最大の特徴は、従来のグラファイト負極に代えてシリコンカーボン負極を採用している点です。

一般的なリチウムイオン電池はグラファイトを使用していますが、シリコンはより多くのリチウムイオンを吸収できる特性を持っています。その一方で、充放電時の膨張が課題でした。
Xiaomiはナノサイズのシリコン粒子を安定したカーボン構造と組み合わせることで、この膨張問題を制御。スマートフォン向けでは安定性を重視したシリコン比率に抑えつつ、モバイルバッテリーなどではより高濃度のシリコンを活用できる設計になっています。
これにより、本体を厚くすることなく容量とエネルギー密度を向上させることに成功しました。
自己修復電解液で劣化を抑制

スマートフォンのバッテリーが劣化する主な原因は、充電を繰り返す過程で内部に微細な亀裂が発生することにあります。
金砂江電池では、弾性ポリマー添加剤を含む自己修復型電解液を採用。シリコンの体積変化に追従し、微細な損傷が発生しても電解液界面が修復される仕組みです。
その結果、約1,600回の充電サイクル後でも80%の容量を維持できるとされています。急速充電を多用するユーザーにとっても、長期的な性能維持が期待できる設計です。
エネルギー密度は最大800Wh/L超
金砂江電池のエネルギー密度はおよそ779~843Wh/Lとされ、従来のグラファイト系電池よりも高い水準にあります。
既存のリチウムイオン製造インフラとの互換性も確保しているため、量産に適している点も特徴です。すでにフラッグシップモデルや折りたたみ端末への搭載が進んでいます。
次世代は全固体電池へ
一方、Xiaomiはさらに先を見据え、全固体電池の研究開発も進めています。
液体電解質を固体材料に置き換えることで、発火リスクを大幅に低減し、1,000Wh/Lを超えるエネルギー密度を目指しています。理論上はリチウム金属負極を活用し、さらなる高容量化が可能になるとされています。
現在は研究開発段階ですが、将来的には電気自動車やモバイル機器への応用が期待されています。
現実解と未来技術の両立
金砂江電池は、現行のリチウムイオン技術を進化させた現実的な高性能ソリューションです。一方で、全固体電池はより安全で高密度な次世代技術として位置づけられています。
素材レベルからの革新を進めるXiaomiの取り組みは、スマートフォンの性能競争をバッテリー分野へと拡大させています。今後の製品展開と技術進化に注目が集まりそうです。

