
次期フラッグシップSoCを巡り、半導体業界ではファウンドリー選択をめぐる噂が飛び交っていますが、Qualcommの最新ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Elite Gen 6」はSamsungでは製造されない見通しが強まりました。海外メディアの報道によると、同チップはTSMCの2nmプロセスを用いた製造に専念する方針とされています。
Snapdragon 8 Elite Gen 6はTSMCの2nm N2Pを採用か
Smart Chip Insiderの最新レポートによれば、Snapdragon 8 Elite Gen 6および上位モデルとされるGen 6 Proは、TSMCの2nmプロセス「N2P」で製造される可能性が高いとのことです。これにより、Samsung Foundryが同世代チップを手がけるという噂は事実上否定された形になります。
特にN2Pは、従来のN2プロセスを改良したもので、性能と電力効率の両面で約5%の向上が見込まれており、次世代フラッグシップSoCにとって重要な要素となっています。
開発スケジュール上、製造元の変更は不可能に近い
報道では、最先端SoCの開発にはおよそ2年の期間を要する点も指摘されています。Snapdragon 8 Elite Gen 6は2026年第3四半期の登場が想定されており、この段階でTSMCからSamsungへ製造元を切り替えるのは、設計や検証の観点から現実的ではないとされています。
いわば、ファウンドリー選択はすでに「ロックイン」された状態であり、少なくともGen 6世代ではTSMC独占が続く見込みです。
標準モデルとProモデルの2系統展開に?
現時点の噂では、Snapdragon 8 Elite Gen 6には標準モデルと、より高性能なProモデルの2種類が用意される可能性があります。両モデルとも2nm N2Pを採用しつつ、特にProモデルではクロック周波数が大きく引き上げられると見られています。
一部では、安定動作で5GHzを超える初のモバイル向けSoCになる可能性も指摘されており、新たな放熱技術としてHeat Pass Block(HPB)の採用によって、最大5.5GHzに達するとの見方もあります。
次世代メモリとストレージへの対応も視野に
Snapdragon 8 Elite Gen 6世代では、LPDDR6メモリやUFS 5.0ストレージへの対応も期待されています。これらはオンデバイスAIの本格普及を支える重要な基盤技術であり、次世代スマートフォンの性能を大きく左右する要素となりそうです。
Samsungとの関係が完全に切れたわけではない
今回の噂が浮上した背景には、QualcommとSamsungの関係強化があります。CES 2026では、Qualcommのクリスティアーノ・アモンCEOが、Samsungと継続的に協議していることを明らかにしています。
Samsungの2nm GAAプロセスは歩留まりが安定しつつあるとされており、Qualcommとしては将来的に製造委託先を分散させることで、コスト削減やTSMC依存のリスク低減を狙っていると考えられます。ただし、それが実現するのは早くても次世代、つまりGen 7以降になる可能性が高そうです。
Snapdragon 8 Elite Gen 6については、性能面・製造面ともにTSMC体制がほぼ確定的となり、Samsung製造という噂は一旦整理される形となりました。今後は、2nm世代でどこまで性能と電力効率を引き上げられるのかが最大の注目点になりそうです。

