
Samsungが、欧州連合(EU)で進むデジタル規制の強化を見据え、対応体制の強化に動いています。同社はEUのデジタル政策に精通した人材を新たに迎え入れ、規制環境の変化に柔軟に対応できる体制づくりを進めているようです。
元MicrosoftのEU政策担当を採用
報道によると、SamsungはMicrosoftでEUのデジタル政策や政府対応を担当していたJeremy Rollison氏を採用しました。Rollison氏は、米国企業であるMicrosoftにおいて欧州政策を長年担当してきた人物で、EUの規制動向に関する豊富な知見を持つとされています。
Samsung入社後は、ベルギー・ブリュッセルにある欧州本社の対外関係チームに配属され、EU政策や規制対応を担う役割を担うとのことです。
AIやクラウド分野に強い政策ネットワーク
Rollison氏は、人工知能(AI)やクラウド政策、サイバーセキュリティ分野における専門性に加え、EUの主要機関が集まるブリュッセルで築いてきた幅広い政策ネットワークでも評価されています。Samsungは、同氏の知見と人脈が、今後のEU対応力強化につながると期待しているようです。
重要市場EUで規制対応が急務に
EUはSamsungにとって主要市場の一つで、年間売上高の約17%を占める重要な地域です。近年、EUではデジタル分野を中心に規制の強化が急速に進んでおり、安定した事業環境を維持するためには、これまで以上に迅速かつ戦略的な政策対応が求められています。
DMAをはじめとする新ルールへの警戒感
とりわけ注目されているのが、巨大IT企業を「ゲートキーパー」に指定し、市場支配力の乱用を制限するデジタル市場法(DMA)です。Samsung自身が直接の規制対象となるケースは限定的と見られるものの、主要競合企業の多くがDMAの適用を受けていることから、その影響が自社ビジネスに波及する可能性は否定できません。
こうした状況を踏まえ、SamsungはEUにおける規制動向を慎重に見極めながら、リスクを最小限に抑える戦略が必要になるとみられています。今回の人材補強は、その一環として位置づけられそうです。

