
Googleは12月のセキュリティアップデートとともに、Android 16の最新安定版となる「Android 16 QPR2(Quarterly Platform Release 2)」の配信を開始しました。対象はPixel 6シリーズ以降のほぼすべてのPixelデバイスで、最新のPixel 10シリーズやPixel Fold各モデルも含まれています。
年間1回から“高頻度アップデート”へ Androidの更新モデルが本格転換
Googleは2024年後半、Androidを「より小刻みに進化させる」新方針を発表しました。年1回の大型アップデートに加え、SDKのリリースサイクルを増やすことで、ユーザーにも開発者にも安定した改善をより早く届ける狙いです。
6月にAndroid 16のメジャーアップデートが前倒しで配信されたのに続き、今回のQPR2はその“マイナーリリース”に相当します。Googleは「準備が整った機能から随時提供する新しいステージに入った」と説明しています。
ロック画面ウィジェットが本格導入 左スワイプで専用フィードへ
QPR2で最も目を引くのが、ロック画面に新設されたウィジェットフィードです。画面を左にスワイプすると、天気や予定、各種アプリ情報をひと目で確認できるようになりました。

設定は
設定 → ディスプレイとタッチ → ロック画面 → ロック画面のウィジェット
から有効化できます。
プライバシー面では、ロック解除前でもウィジェットの内容は見られるものの、ウィジェットをタップしてアプリを開く際には認証が必要になります。
ホーム画面同様、ロングタップで削除・サイズ変更ができ、「ウィジェットを追加」から新しいウィジェットも選択できます。
通知をカテゴリ別に自動整理 優先度の低いアラートがすっきり表示に
先月追加されたAIによるメッセージ要約に続き、QPR2では通知を整理する新機能が登場しました。重要度の低い通知は「ニュース」「プロモーション」「SNS通知」といったカテゴリに自動分類され、通知シェードの最下段にまとめて表示されます。

最小化時はアプリのアイコンが右側に重ねて表示され、視覚的にもわかりやすく整理されます。
アイコン形状をさらにカスタマイズ可能に テーマ適用も強化
「壁紙とスタイル → アイコン」から、ホーム画面専用のアイコン形状を選べるようになりました。従来の円形に加え、角丸四角など複数の新形状が追加されています。

加えて、Android 16 QPR2では すべてのアプリでシステム側がテーマアイコンを生成 するようになりました。これにより、これまでテーマ未対応だったアプリも統一感のある外観に整えられます。
UIの細かな使い勝手も改善

今回のアップデートでは、細部にも多くの改良が加えられています。
- 長押しメニューにショートカット追加ボタン(+)が登場
- 検索バーのマイク・Lens・AIモードのアイコンが拡大
- Live Captionが音量スライダー直下から即アクセス可能に
- 設定アプリのMaterial 3 Expressive採用範囲が拡大
さらに、以下のような追加強化も確認できます。
- 「ペアレンタルコントロール」が「デジタルウェルビーイング」から独立
- 「強化HDR輝度」に新しい強度スライダー
- 非対応アプリにも強制適用できる“拡張ダークテーマ”モード
- Health Connectが端末の歩数データを直接記録可能に
配信は順次開始 ベータ版ユーザーは小規模アップデートを受信
OTAが届いていない場合は、
設定 → システム → システムアップデート → 更新をチェック
から手動で確認できます。
Android 16 QPR2 Beta(3.3以降)を利用しているユーザーには、正式版へ移行するための小規模アップデートが配信される予定です。
なお、Android Beta Program自体は今後も継続し、QPRや新機能のテストが続けられます。
今回のアップデートはPixel体験の“土台強化”に
ロック画面の機能拡張や通知整理、UIの細部改善など、今回のQPR2は即効性のある便利機能が中心です。大きな派手さはないものの、日常的な使い勝手を底上げするアップデートになっており、Androidの新しい更新モデルにふさわしい内容と言えるでしょう。

