
2025年3月8日、Samsungは、次世代のExynos 2600チップセットの開発に向けて専任チームを結成したことを発表しました。この決定は、同社が過去に直面したExynos 2500チップの失敗を繰り返さないようにするための重要な一歩です。
Exynos 2500の失敗を教訓に
Exynos 2500は、Galaxy S25シリーズの搭載を予定していたチップですが、3nmプロセスでの低い歩留まり率が原因で実装が不可能となり、最終的にはすべてのモデルにSnapdragon 8 Eliteを採用せざるを得ませんでした。この結果、Samsungは重要な利益を失うこととなりました。
しかし、Samsungはこのような事態を避けるために、Exynos 2600の開発に専念する新たな「タスクフォース」を立ち上げました。このチームは、Galaxy S26シリーズに搭載予定のExynos 2600の準備を整えるために全力を尽くします。
新チームの役割と目標
新設されたタスクフォースは、Samsungの半導体部門の一翼を担うSamsung Foundry内に配置され、主に2つの目標を掲げています。一つは、2nmウェハーの歩留まり率の最適化、そしてもう一つは、Exynos 2600のパフォーマンスの向上です。これにより、チップの量産体制を万全に整えることを目指しています。
2nmプロセスの進展と今後の展開
Samsungの2nmプロセスに関しては、すでに初期テスト段階で良好な結果が出ており、歩留まり率は30%に達しています。この数字はまだ初期段階のものであり、今後の改善が見込まれています。一般的に、半導体工場では60~70%の歩留まり率を目標にしており、Samsungは過去の3nmプロセスで最悪時には歩留まり率が10%だったことを考えると、すでに大きな改善を見せています。
もしこの調子で順調に進めば、Samsungは2025年5月からExynos 2600の量産を開始する予定です。このチップの成功は、Samsungの半導体部門の将来を左右する可能性があり、再び自社製チップを使用することで、数百万ドルのコスト削減を実現できると期待されています。また、この成功が契機となり、第三者からSamsung Foundryへの発注が増えることも見込まれています。
今後、SamsungがExynos 2600をいかに成功させ、次世代のGalaxyシリーズに組み込むかに注目が集まります。