
Hisenseが、電子ペーパー(E Ink)ディスプレイと着脱式のカラーディスプレイを組み合わせたユニークなスマートフォン「Hisense A10 Ultra」を中国で発表しました。一般的なスマートフォンとは大きく異なり、背面にマグネットで取り付けられるサブディスプレイを搭載しているのが最大の特徴です。省電力性に優れたE Inkと、動画やゲームに適したカラー液晶を1台で使い分けられる構成となっています。
メイン画面はE Ink、背面にはカラー液晶
Hisense A10 Ultraのメインディスプレイには、6.13インチのE Ink Carta 1300パネルを採用しています。解像度は1648×824ピクセル、画素密度は300ppiで、E Inkのため表示はモノクロに限定されます。

一方で、消費電力が少なく、屋外の強い日差しの下でも比較的見やすいというE Inkならではのメリットがあります。電子書籍の読書や長時間のWeb閲覧など、一般的なスマートフォンよりも目に優しい表示環境を求める用途にも向いています。
夜間利用にも対応しており、フロントライトは明るさと色味を36段階で調整できます。

そして背面には、4.96インチのカラーLCDを搭載。こちらはフルカラー表示に対応しており、滑らかなアニメーションも表示できるため、動画ストリーミングやゲームなどE Inkが苦手とする用途に活用できます。
この背面ディスプレイは固定式ではなく、マグネットで本体に取り付ける方式です。必要なときだけ装着し、不要になれば取り外せるため、用途に応じて本体をシンプルなE Inkスマートフォンとして使うこともできます。
背面のマグネットはワイヤレス充電にも利用
背面ディスプレイを取り外した後も、マグネットを別の用途に利用できます。
A10 Ultraはマグネット式の充電器に対応しており、背面ディスプレイを外した状態では磁石を利用したワイヤレス充電が可能です。バッテリー容量は4,000mAhで、ワイヤレス充電は最大15W、USB Type-C経由では最大18Wに対応しています。
ディスプレイを着脱するための構造を、そのまま充電機能にも活用している点は、この端末ならではの特徴と言えそうです。
SnapdragonではなくQualcomm Dragonwingを採用
ディスプレイこそ特殊ですが、基本的なスマートフォンとしての仕様はミドルレンジクラスにまとめられています。

搭載SoCはQualcommの「Dragonwing Q-6690」で、48MPのメインカメラと8MPのフロントカメラを搭載。NFC、Wi-Fi 6、赤外線トランスミッターにも対応しています。
OSにはAndroid 16を採用し、Google Playストアも利用できます。E Inkスマートフォンではアプリ互換性が問題になるケースもありますが、一般的なAndroidスマートフォンに近い使い方ができる構成です。
価格は約6万円から、Ultraはさらに400元高
Hisense A10シリーズには、背面の着脱式ディスプレイを省いた「A10 Pro」も用意されています。
中国での価格は、A10 Proの8GB RAM+128GBストレージモデルが2,799元(約420ドル)、12GB RAM+512GBストレージモデルが3,499元(約520ドル)です。
A10 Ultraは、これらの各モデルに400元を追加した価格設定となっています。つまり、A10 Ultraは8GB+128GBモデルが3,199元、12GB+512GBモデルが3,899元となります。
現時点では、中国以外での発売については発表されていません。
E Inkをメインディスプレイに採用したスマートフォンはこれまでも登場していますが、A10 Ultraは背面にカラーLCDを着脱式で組み合わせることで、電子ペーパーの省電力性と通常のスマートフォンに近いカラー表示を両立させています。
普段はE Inkで読書やWeb閲覧を行い、動画やゲームを楽しみたいときだけ背面ディスプレイを装着するという使い方もできるため、スマートフォンの利用時間が長いユーザーにとっては面白い選択肢になりそうです。今後、海外市場にも展開されるのか注目されます。

