
Apple初の2nmプロセス採用チップとみられる「M6」が注目を集めています。ただ、市場への影響という点では、M6そのものよりもTSMCの次世代プロセスが本格的な量産段階に入ったことを示す意味合いが大きいようです。今後、2nmプロセスの普及を本格的に牽引するのは、より大量に出荷されると予想されるiPhone向けの「A20 Pro」になるとの見方が伝えられています。
M6は2nmプロセスの先行投入モデルに
M6はAppleの新世代Apple Siliconとして、TSMCの2nmプロセスを採用する最初の製品になるとみられています。ベースモデルでも12コアCPUと12コアGPUを搭載し、ユニファイドメモリの帯域幅も最大170GB/sへ向上するなど、性能面ではM5から順当な進化を遂げる可能性があります。
一方で、MacはApple全体の売上に占める割合がiPhoneほど大きくありません。そのため、M6の出荷量だけでTSMCの2nmプロセスを大規模に拡大していくのは難しいと考えられます。
むしろ、比較的出荷規模の小さいMac向けチップを先に投入することで、TSMCが2nmプロセスの生産体制を整え、量産時の課題を洗い出す役割を担う可能性があります。
本格的な普及を担うのはiPhone向けA20 Pro
2nmプロセスの商業的な成否を左右する存在として期待されているのが、次期iPhoneの上位モデルに搭載されるとみられるA20 Proです。iPhone 18 ProやiPhone 18 Pro Max、さらに折りたたみiPhoneへの採用が予想されており、Mac向けチップを大きく上回る出荷規模になる可能性があります。
報道によると、TSMCの2nmプロセスは2026年第3四半期の売上高の3%を占めるまでに成長しています。年末にかけてA20 Proの量産が本格化すれば、この割合はさらに拡大することになりそうです。
AppleにとってM6を先行投入することは、いきなり大量生産が必要なiPhone向けチップから2nmプロセスを採用するリスクを抑える意味もありそうです。比較的少量の製品で生産ノウハウを蓄積できれば、その後のA20 Proの大量出荷をより安定して進められる可能性があります。
M6搭載Mac miniは価格上昇も課題に
一方、M6搭載Mac miniについては価格面も気になるところです。記事では、DRAM不足の影響もあり、16GBのユニファイドメモリと256GB SSDを搭載するモデルが一部小売店で879.99ドルから販売されていると伝えられています。
599ドルだったM4搭載Mac miniと比べると、同等のメモリ・ストレージ構成で大幅な価格上昇となります。単純なチップの世代交代だけでは受け入れにくい価格差であり、性能が向上したとしても買い替え需要に影響を与える可能性があります。
M6はAppleにとって、単に新しいMac向けチップというだけではなく、TSMCの2nmプロセスを本格量産へ移行させるための重要な先行事例になるのかもしれません。そして、その技術が市場で本格的な規模へと広がるかどうかは、今後登場するA20 Proと次世代iPhoneの動向が大きく左右することになりそうです。


